2016年4月10日日曜日

瓢ヶ岳






仏師界のニコラ・ジャジェールこと円空上人は瓢ヶ岳の麓、美並村で生を受けた。木食戒誓願達成のため各地を遊行し、その逗留した土地の信仰に合致した仏像や神像を残した。64歳で入定し即身仏となったという。作風は作成時期によって異なるが、概ね簡素化された造形と、木目の暖かさが特徴でほっこりするものが多い。その理不尽なまでの荒行、愚直な生き様に憧れを抱く人は多いはずだ。私もその一人である。

瓢ヶ岳、高賀山、今淵ヶ岳は高賀三山信仰の場である。かつて修験者が修行に励んだ場所だ。溶結凝灰岩の岩屋に身を横たえ、修行に勤しんだのだろうか。今や瓢ヶ岳はハイカー、ボルダラーに人気の山となっている。山頂は開けていて展望が良い。道もよく整備されていて心地よくクライミングのレストがてらハイキングにおすすめ。

<アプローチ>
下道で高山からせせらぎ街道(県道73号)経由で郡上まで。さらに国道156号を経由して片知渓谷に入る。富山からおよそ4時間。

<装備>
クライミングシューズが有ればボルダリングを楽しめる。どちらかというと、ボルダリングのついでに山頂に行く感覚。課題はどれも面白い。さすが日本屈指のボルダリングエリア。

<快適登攀可能季節>
3月~11月。あまり概念が無いので何とも言えないけど。紅葉の時期は素晴らしかった。

<博物館など>
美並円空ふるさと館:作品を年代別に並べてあり、作品の変遷を辿ることが出来る。併設されている美並生活資料館も充実している。

円空研究センター:作品の展示は無いが、円空の足跡や信仰についてのパネル展示が纏まっており円空の人となり全体像を把握するにはよい展示。

千光寺:高山にある寺院。傑作、両面宿儺を所蔵。マイフェイバリット神像である。

関市円空館:同じ関市に洞戸円空記念館があるが別物。展示はこじんまりとしている。近くの弥勒寺に入定塚があるので円空フリークならば64歳円空の最期の場所は訪れるべき場所。

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