恥ずかしながら、いい加減な登山をしている。有名なところだと各種色々な情報がある時代で遡行図や谷の情報が多分得られるのだが、じっくり読んで理解し行くことができない。遡行図を持っていくことも無いので、概念把握も適当で地形図を見ながら成り行きで適当に登っている。安全上望ましくないことは明白であり危険な登山者と罵られても仕方ない。ただ、理解していないからこそ良かった!と思えることも多いのも事実である。
真沢はその昔友人に良い所だと教えてもらって以来気になっていた沢。二俣に大きな滝が架かっていてそれがもの凄い景観とのこと。大体そのくらいの情報だけで行ってみることになる。
滝ノ沢を過ぎるといきなりゴルジュになってきて既に猛烈に綺麗だ。一見すると登れなさそうな滝でも取りついてみると簡単だったり、際どかったりしつつ登れる。登れない滝はクライミングして草付きに入り高巻く。関門の滝下は普段は雪で覆われているのだろうか。定石は不明だが綺麗で楽しいゴルジュである。関門の滝から先はそれはもう筆舌に尽くしがたい美渓で圧倒される。ロープを出さずに登れてしまう滝ばかりだが、高いので落ちたらアウトで緊張感が高い。危険なのでちょっと嫌だが時間を掛けると困るのも事実であり受け入れる。楽しみにしていた二俣の景観は世界遺産級で想像よりずっと素晴らしい。見慣れない渓相から腰を抜かす大滝が二つ架かっている様は圧巻だ。真沢って沢登り界で有名なのだろか?子の景色は越後だと当たり前なのか?登山界のみならず広く一般に知られていても良い場所だと思う。その後も登れる大滝、スラブ状滝、ナメが連発し感激の土石流、感動の火砕流が同時多発発生する。そんなこんなでわーわー騒ぎながら登ることになる。祓川という支沢を登るつもりだったが、概念を間違えており気づいたら真沢本流?を詰めて中ノ岳の北側へ出る。祓川には大滝が架かっており凄い大滝だねぇ~と言いいながら、のんきにやり過ごしていた。真沢には美景ナメが連発していたのでこれもたよし。ハードな笹薮漕ぎをして稜線に出るとこれまた美しい山に囲まれて幸せになった。登山道も美しい森で楽しくゴール。
富山県近隣には見られない景観の味わえる空前絶後の名渓であった。謎の変性岩群である上越帯がなせる業なのだろう。登っていても堆積岩の変性岩っぽさと火山岩っぽさが混合していた。理解が及んでいない世界で親しく遊ぶのは実に興味深いこと。遡行景観は独特で相対的に表現しがたいが強いて類似した雰囲気を挙げるならば白山のよう。雪国では貴重な秋シーズンだが、たまには遠出して名渓を訪れるのも良きものである。
<アプローチ>
越後三山森林公園の駐車場から林道を歩いて廃道化してきたら適当に沢に降りて入渓。幕営適地は北沢との出合にある大滝を登った大岩地帯。といっても、薪が比較的豊富にあるだけで決して平らで安全というわけではない。車が二台あったので事前に十字峡に一台デポしていたので中ノ岳から登山道で容易に下りられた。
<装備>
カム一式、ピトン各種、足回りはラバーの方がいい。クライミングシューズがあると大滝で安心。
<快適登攀可能季節>
残雪が多いので9月~10月くらいだと思う。
<博物館など>
トミオカホワイト美術館:歴史的に変色や割れのない白色の油絵具の使用が難しかったことを初めて知った。富岡 惣一郎が作り上げた油絵白色の抽象的な世界は心地よい。