おおかみこどもの雨と雪(2012年公開,細田守監督)の舞台モデルは富山県だ。話題作だったので上映当時劇場で鑑賞した。子供の成長と母親との絆を描いた作品で内容に賛否は有るかと思うが個人的には楽しく鑑賞できた。その親子の家(花の家)が上市町浅生にあり、誰でも見学することが出来る。上映から4年立った今でも訪れる人が絶えないようだ。
花の家の裏山、城ヶ平山は豊かで素晴らしい里山だ。登山口は浅生側と大岩側があるがここでは浅生のほうを紹介する。登山道は畑の横を通るところから始まる。休耕になっている所もあるが駆り払われていて日当たりは良く開けた場所となっている。畑を抜けると南向きの緩やかな杉林となる。谷にはチョロチョロと水が流れていて潤いがある。稜線はナラを中心とした広葉樹の雑木林だ。稜線といっても幅は広く尾根にも谷にも草木が種類豊富に生い茂っていて、巨大な乳房に全身を包み込まれるような感じ。もちろん実際に乳房に包まれた経験は無いが、きっとこの雑木林の中ような感じだろう。いずれ包まれてみたいものである。細かなアップダウンを楽しみながらかつてお城があったといわれる山頂へ。広い山頂は家族で昼食を食べたり、今様を吟じながら舞う事が出来るような展望台となっている。天候がイマイチだったので写真で良さが伝わらない事が惜しまれる。同ルートを戻っても良いが大岩へ降りて林道を戻ってきても面白い。
生物にとっての豊かさとは、手付かずの山とは限らないと思う。この短いルート内の自然環境はとても変化に富んでいる。それは人間住みよいように手を入れたためだ。それぞれの場所に適した生き物が住み着くことで、生息する生物の種類は多くなる。単位面積当たりの生物種は里山の方が多いという話も聞く。生き物が多く居て何になる?という意見もあるとおもう。でも種類が多いほうがゴージャスな感じがして良いじゃないか。ビーフカレーの食べ放題よりも、50品目のブッフェスタイル、ケーキ付きの方が嬉しいように。しかも里山のブッフェは無料で味わいは訪れる人の観察眼次第で3つ星レストランにもなる。時間制限も無いので立ち止まりながらゆっくり味わいたい。
<アプローチ>
大岩山から続く細い山道を入る。花の家の脇に駐車し看板にしたがって入山。駐車場は広くないので注意が必要。縦走して帰ってくるのもよい。
<装備>
念のため熊鈴。図鑑片手に一日遊ぶのもよさそう。
<快適登攀可能季節>
1月~12月。オールシーズン楽しいはず。夏は暑いかな。
<温泉>
大岩不動の湯:小さめの施設だが天然温泉で露天風呂もある。420円とリーズナブルなのも嬉しい。
<博物館など>花の家:おおかみこどもの雨と雪のモデルの家。土日祝日は管理している人が居て見学可能。
西田美術館:ロシアイコンや曼荼羅を展示。そして剱岳の資料が豊富。魚津岳友会の会報が熱い。
大岩山:行基菩薩の石仏は大迫力。夏には千巖渓遊歩道で涼みそうめんを食らうのが良い。
富山県薬用植物指導センター:5月中旬に芍薬の花が満開になるとても綺麗。五月の連休より少し後が見頃になる。芍薬は生薬として用いられるので栽培されている。有効成分はペオニフロリン。有名なのは甘草との組み合わせたもので芍薬甘草湯。グリチルレチン酸との組み合わせである。
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