よく北陸三県という括りで語られるが、敦賀まで行くと文化的には関西圏である。天然の良港に恵まれて発展を遂げた敦賀は明治15年に日本海側では最初に鉄道が開通した。明治45年には東京から敦賀まで汽車が走り、そこから船でロシアへ行きシベリア鉄道でヨーロッパへ行ったそうだ。当時、ヨーロッパまでの切符を東京で纏めて買えたというから驚きである。揺籃期の日本、若者達はいかなる感情でこの切符を握ったのであろうか。
さて、敦賀・若狭の沢と岩といえば花崗岩が中心である。岩登りをするにはやや脆いが、沢登りは中々に面白い。海から山が近い急峻な地形と降雪量がそれほど多くない気候の為だろうか、沢筋の土砂堆積は少なく、滝が連続するのが非常に楽しく仕上がっている。今古川はその中でも有名な沢のようだ。また、どの滝もホールド豊富なので快調かつ健康的に登ることが出来る。美しい小滝が想像以上に連続するので驚いた。終盤の読図も含め入門には持って来いの沢である。この沢のみを目的で行くには遠いので、沢と岩と歴史めぐりの週末バカンス気分がよろしい。
<アプローチ>
国道8号で敦賀まで行くのは信号が多くつらいものがある。高速利用ならば若狭三方インターまでおよそ3時間そこから20分程度で若狭町斎場対岸の林道へ入る。林道を歩いて大きな堰堤が出るが、これを巻く歩道がどこかに有るそうだ。我々はこの歩道を登るのが面倒だったので、堰堤のバックウォーターを泳いで出合いまで行った。下山は北へ降りる登山道か南へ降りる林道を利用。恐らくどちらも入渓点まで2時間弱で戻る。
<装備>
沢慣れしていない人が居る場合は念のためロープ
<快適登攀可能季節>
寒くないとき。雪が降っていないとき。
<快適登攀可能季節>
寒くないとき。雪が降っていないとき。
<博物館など>
若狭三方縄文博物館:建物がモダンな設計である。そのため、全国各地にある縄文系博物館にありがちな寂れた感は全く無いのでそれだけで嬉しい。また、寂れた博物館に有りがちな「はい、並べました」的な展示では無い。美しくて解りやすくて楽しいのである。最近の縄文ブームで訪れる人が増えるかもしれない注目の博物館である。
気比の松原:スケールが有るわけではないが日本三大松原である。芭蕉翁も観た。虚子も観た。これだけで十分見物の理由になる。なお、あと二つは三保の松原と虹の松原となっている。
敦賀市博物館:旧大和田銀行の建物を利用した趣の有る外観と内装。港湾町として発達した敦賀の歴史を学べる。最大の見せ場は4等フレネルレンズの実物品が2点も展示されている所。精緻で奇妙なレンズが遠く海を照らすロマン。
敦賀原子力館:門ヶ崎の直ぐ近くには高速増殖炉もんじゅがある。原発の利用は賛否が有るだろうが、その原理と工学的な機構は興味深い。冷媒にナトリウムやカリウムを使用する合理的で大胆な発想に感心した。漏れちゃったけど。
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