2018年1月21日日曜日

六百沢の岩場 左岸大滝







明神岳周辺の岩場は全体として南向きのためコンディションの変動が激しい。一方、霞沢岳から六百山の岩場は概ね北面向きのため比較的毎年安定していると考えられる。小梨平から程近い六百沢の岩場は明神岳の岩場と比してスケールが大きくない上、難しさも幾分マイルドに仕上がっている。そのため、コンディションさえ掴めれば比較的万人に楽しめるエリアだと思う。

六百沢に入って、右側から出会う二つ目のルンゼの先には大きな氷がかかっている。全長60mくらいで登り易いながらも変化に富んだ氷瀑で面白い。その直ぐ左の岩壁にもベルグラが発達し、凡そ2Pで雪面まで抜ける事ができる。支点はクラックからもしっかり取れるので安心だ。このルンゼだけで氷と岩どちらも1日十分に楽しむ事ができる。

六百沢の岩場は花崗岩であった。対岸の明神岳は安山岩である。六百沢の岩場が支点良好であるのは岩質の違いによるところが大きい。性質の違った岩場が至近にあり、どこも違った味わいがある。これが穂高山塊の魅力なのかもしれない。

<アプローチ>
沢渡か坂巻温泉に駐車。坂巻温泉の駐車料は一日600円。富山から大体2時間30分あれば着く。六百沢の入り口は解り難い。初めてであれば明るくなってから取り付いたほうが無難。六百沢はゴルジュ地形内にルンゼが多く集まっており、非常に雪崩のリスクが高い谷である。北面であることを勘案すると、一雨入り冷え込んだタイミングが安全でベルグラの発達も期待できる。

<装備>
カム、ピトン数枚、トライカム、アイススクリュー。

<快適登攀可能季節>
1月~3月くらい。日も当らず風も吹き抜けて寒いので大滝は毎年凍ると思う。

<博物館など>
福地温泉で日本最古の化石が発見されている。年代は古生代オルドビス期~デボン紀。即ち5億年~3億6000年前である。残念ながら冬期登攀後は観察できない。

<温泉>
坂巻温泉、平湯温泉

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