2019年2月25日月曜日

大スバリ沢奥壁 中央壁中央岩稜







中央壁は小さい、脆い、草付きが多いと日本の壁の三大要素を備えた壁である。えっ、そうしたら登る価値なんて無いんじゃない?と考えるのは早計である。鬼の館と呼ばれる大洞穴とその中に発達する氷筍は興味深いし、この壁を登る事で左岩壁と右岩壁がよく観察できるので大スバリ沢の概念把握にも丁度良い。登攀内容は左岩壁と異なり逆層スラブ状を呈しているのが面白い。パッと見てフェース部も登れそうなのだが取り付くと意外に強い傾斜に戸惑う。筆者らはスラブ状フェースから取り付いたものの、右のルンゼへトラバースして中央岩稜ルートへ合流する形となった。ライン取り上手くすればスラブ状フェースを直上できる可能性もある。大スバリ沢全体の偵察がてらに訪れてはいかがだろうか。

<アプローチ>
日向山ゲートから扇沢まで歩いて大沢小屋から屏風尾根に取り付く。屏風尾根の稜線直下は絶好のベースキャンプ地である。屏風尾根の頭から約10分ほど赤沢岳側に歩くと西側、標高差約80m程下にC岩峰が見える。C岩峰は意外に丸いので見落としやすい。C岩峰のコルを乗越し、急峻なルンゼをクライムダウンする。ここは結構緊張する。やがてトラバースできるバンドが出てくるのでトラバースしていくと左岩壁に出る。そこから少し下ると現われる顕著な大洞穴(鬼の館)がある岩場が中央壁である。登攀終了後は雪面を詰めれば容易に稜線に達する。

日向山ゲートまで富山市内から国道8号~148号で3時間と少々。

<装備>
カム一式、ピトン、トライカム。

<快適登攀可能季節>
12月~3月 3月になれば積雪状態次第で1泊2日で2本登ることが出来る。概念を把握していて気合を入れれば日帰りも可能だと思う。ただ、扇沢は東面なので谷筋をアプローチにするのは賢明ではない。

<博物館など>
大町山岳博物館:資料館が素晴らしい。剥製の展示も豊富で躍動感、物語性があり見入ってしまう。ボルダリング壁も一回100円で一日利用可。

塩の道ちょうじや:庄屋であった平林家を展示。千国街道から運ぶ塩は瀬戸内産だったそうな。北前船で糸魚川まで運ばれ、そこから大町まで運んだとか。にがり甕の知恵に感動。

<温泉>
上原の湯:410円で石鹸&シャンプーが付いている温泉。
薬師の湯:温泉博物館と酒の博物館が近くにある。
みみずくの湯:白馬にある日本有数の強アルカリ泉。入って損は無し。

<グルメ>
昭和軒:大町駅近くにあるカツ丼の店。大盛りはプラス100円で凄い量が食べられる。

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