冬壁のトレーニングジムが錫杖岳ならば、雪稜のジムは戸隠で決まりだ。スケールが小さいながらもピリリとした内容の稜が幾つも並び、そのどれもが面白い。多くのルートは稜からルンゼへの距離はそれほど遠くないため、雪が安定していれば敗退も容易だ。富山から割と近いので気軽に通えるのも嬉しい。
P5稜は雪壁登りと草付きダブルアックスを中心とした比較的爽やかな内容といえる。取り付きは丸山とのコルより少し上で岩峰を上手くかわせる適当な場所から取り付く。谷筋を詰めていけば、更に稜上部から取り付くことも可能だ。出だしは藪交じりの急雪壁で怖さは無い。その後普通の尾根となり、このまま終わるのか?と思いきや頂上手前に要塞状の藪壁が現われる。積雪量にもよるが草付きのダブルアックス、垂直藪漕ぎ2~3Pで山頂直下のプラトーへ出る。このダブルアックスは傾斜が強くそれなりに悪い。雪庇を崩して出た山頂は言わずもがな素晴らしい景色だ。
キノコ雪登攀が目的であれば物足りないが、オーソドックスな雪稜登高が安全に味わえる貴重なルートである。稜そのものはラッセル技術を習得していれば日帰りでも十分に楽しめると思う。
<アプローチ>
品沢高原と林道西岳線が近接する最終除雪地点に駐車する。林道を歩いて谷筋を少しつめて取り付く。筆者らは丸山とのコルから少し上の岩稜が始まる地点から取り付いた。尾根の右側は緩い斜面になっているので、谷筋を詰めれば、上部から取り付くことも可能となっている。下降はP1まで縦走しP1稜を降りる、同ルート、ルンゼ下降と状況と嗜好に応じて選択すればいい。
上信越道利用ならば市内から入山口まで3時間ほどで到着する。国道8号から18号経由でもしっかり除雪されおり、深夜~早朝であれば時間はかからない。最短は国道406号で道路状況によっては一番早い。しかし、急勾配でカーブが多いため道路状況には注意が必要。
<装備>
ダブルアックスで登ることが多いのでアックスはひん曲がったタイプでもいいかも。真っ直ぐのタイプであれば、リューシュが有ると楽だ。最近では可動式のハンドレストが付いたアックスがあるのでそれが便利だと思う。藪が発達しているので支点はスリングのみでよい。
<快適登攀可能季節>
2月~3月上旬。雪がしっかり付いた時期。
<温泉>
鬼無里の湯:とんでもないところにあるが、綺麗で良いお風呂。値段も510円とリーズナブル。なお、源泉温度が低いため法律上は鉱泉である。
<温泉>
鬼無里の湯:とんでもないところにあるが、綺麗で良いお風呂。値段も510円とリーズナブル。なお、源泉温度が低いため法律上は鉱泉である。
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