2019年7月22日月曜日

アワラ谷右俣












アワラ谷は白山の沢の中でも決して人気の高い沢ではないが捨て難い魅力がある。大白川の湯谷と同様、少し脆い岩質の谷のため下部は荒れている。2018年西日本豪雨の影響だろうか真新しい土砂が多く堆積していた。そして、本流に地形図で記載されている堰堤は破壊され無くなっていた(これは昔からかもしれない)。右俣に入り1300m付近で10m程度の滝が出てくるが処理に難儀するような代物ではない。1520m付近で右に入ると硬いスラブに水が踊るようになり俄然面白くなる。側壁に咲く高山植物の粋な演出も相まって非常に気分が良いところだ。詰めは苦しい藪漕ぎも無く尾根に上がることができる。この尾根は大きな池が3つもある不思議な尾根である。そのうちの一つを見物したがひっそりと佇む美しい池であった。きっと動植物たちの貴重な住処なのだろう。生態系を乱すことが無いよう、水には浸からずに遠くから眺める程度にしておきたい。

上部は文句なしの内容で素晴らしい。しかし下部があっさり系なのでアワラ谷右俣一本では少々物足りないかもしれない。下部での釣りと抱き合わせ、或いは秋にアワラ谷~湯谷上流部~尾上郷川上流へと継続するなど変化をつければより楽しい山旅となるだろう。

<アプローチ>
林道の入り口は鍵が掛かっている。車が入れないのならば、思い切ってミモテタくらいから下降して釣りをしながら遡行してはどうだろうか。アワラ谷下部は幕営場所豊富である。右俣の遡行自体はそれ程時間は掛からないので早めに泊まっても良いはずだ。右俣に入ってからは1500m付近にそこそこの幕営点はある。車が一台の場合の下降は1985mのピークから支流を下降するのがよいだろう。車が二台ある場合は湯谷へ下降すると楽である。下降は難しくない。湯谷へ下降後、地獄谷出合までは湖畔の藪漕ぎとへつりをすることになる。地獄谷以降は林道を使用できる。

<装備>
トライカム少々、ピトン少々

<快適登攀可能季節>
7月~10月。

<温泉>
大白川温泉:硫黄泉ーナトリウムー塩化物泉。洗い場は無いので石鹸をもって行こう。道の駅にも温泉が併設されているがこちらはあっさりとした泉質。

<博物館>
白川郷の古民家には生活の知恵が詰まっている。一度は行っておくと良いでしょう。世界遺産だし。自然に溶け込んで非常に理にかなった建物である。


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