富山県の県木である立山杉。根っこに近いところの幹は非常に太いが、地面から比較的近いところから枝分かれする樹木が多い。これは若木のときに北陸特有の重い湿雪と強風に叩かれて枝が折れながらも生長したからなんじゃないかと推察するところである。富山の気象と地質が育んだ特異な森の景観だ。その中でも上市川、片貝川、称名川流域に自生する立山杉に際立った巨木が多いような気がしている。片貝川上流には洞杉と呼ばれる岩を抱えた立山杉が自生しているが、これがまた素晴らしいビジュアルなので一度は訪れもらいたい。
大熊山の良さは立山杉の巨木とブナの美しい森林にある。1264mまでは立山杉が多い。はっとするような樹形の巨木も幾つかあり、急登も苦にならない。1200m付近からはブナ林に変わる。かなりの急激な変化なので面白い。ここからは、だらりとした地形が山頂まで続く。積雪期はルート取りに注意が必要だ。筆者が訪れた際はど吹雪だったので、何も見えなかったが展望が素晴らしいと聞く。木々達の声をゆっくりと聞きながらまた訪れるとしよう。
<アプローチ>
小木曽谷右岸の尾根に2010年ころに拓かれた登山道が付いている。赤布も豊富にあるので迷うことは無いと思う。小又川の大きな橋から林道に入って、大きくカーブするところから小道へ入り尾根に入る。冬はここまで伊折のゲートから徒歩。
<装備>
冬~春はワカンなど冬山装備
<快適登攀可能季節>
通年。
<温泉>
アルプスの湯、ゆのみこ温泉
<博物館など>
滑川市立博物館:上市町のイメージが強い早月川だが、人の住んでいる殆どの流域は滑川市を流れている。流域の自然と人の営みをバランスよく知る事ができる。手の込んだジオラマも学習の一助となる。
西田美術館:ロシアイコンや曼荼羅が展示されている。そして剱岳の資料が豊富。魚津岳友会の会報が熱い。
大岩山:行基菩薩の石仏は大迫力。夏はそうめんが名物で多くの観光客が訪れる。
富山県薬用植物指導センター:5月中旬に芍薬の花が満開になるとても綺麗。五月の連休より少し後が見頃になる。芍薬は生薬として用いられるので栽培されている。有効成分はペオニフロリン。有名なのは甘草との組み合わせたもので芍薬甘草湯。グリチルレチン酸との組み合わせである。
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