2021年5月24日月曜日

宮川 ソンボ山北西面無名沢









 何を隠そう、宮川支流の沢登りの特徴は土砂と浮石それに早々に水が枯れた後のガレ登りである。これは飛騨帯の花崗質な箇所と砂礫堆積岩が脆弱であるために崩壊しやすいものと考えている。しかし、大体そうであってもすべてがそうではない。いや、すべてがそうでないと明言するにはすべてを行かねばなるまい。

 ソンボ山は面白い形をした山だ。宮川と神通川を分かつ尾根に端を発し山稜を南西から北東へと伸ばす。南面は傾斜が緩いのに対して北面は急峻となっているのが印象的である。地質図では南面の緩傾斜帯が異なった区画となっているのが興味深い。

 地形図にソンボ山の北西面を流れる沢の名称は記載されていない。ちょっと調べた限りでは名称不明なのでいずれ宮川村誌(1981年発刊)で調査したいところだ。出合いから谷の雰囲気が意外にも良く期待させられる。そして小滝を越えると10mの滝が現れおおっーとなる。しかし、以降は地図上で水線が示された二俣手前にちょっとした滝がある程度で淡々とした沢である。そして標高750mより上は水が枯れる。残雪の残る5月中旬の遡行でガレが非常に不安定だったため、山頂は踏まずに下降した。

 晩春の緑は実に心地よかった。ガレがあっても泥だらけでも地元の山はいい。風景と匂いがじんわり体に染み入る感じがするのは、日々の水と食べ物が山からの恵みによってもたらされているからなのだろうか。この感情の湧きどころが何なのかを調査するためにはすべての山を登らなければならんかも知らん。

<アプローチ>

本流右岸、鮎飛集落おくの牛舎の脇に駐車させてもらう。ここの牛さん達はクラシックミュージックを聴きながら優雅な時間を過ごされておられる。地形図上で登山道記号が示されているがこれは送電線巡視路へ至るための道である。踏みあと程度だが十分に利用可能。


<装備>
念のためロープ。滝を直登する場合はカムとピトン

<快適登攀可能季節>
6月~11月。

<温泉>
楽今日館、奥飛騨まんが王国

<博物館など>
まんが王国は公営のまんが喫茶。舐めて掛かるとスケールの大きさにびっくりする。

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