岩屋俣谷川といえば別山谷が有名で井谷へ入る人は圧倒的に少ない。確かに別山谷は素晴らしい谷なのだが、井谷が劣っているかというと全然そんなことは無い。
井谷に入り少し歩くとローリングストーンズのベロだしロゴみたいな二段滝が現れる。右側からブッシュを繋いで登ると実は奥にもう2段あるのが分かる。以降はゴーロを挟んで小滝という構成が続く。小滝は難しいものは無い。ゴーロ帯は昨今の大水の影響か土砂がやや多いものの渓相は日が差し込み明るく朗らかな気持ちにさせてくれる。1560mの二俣を左に入るとナメは美しく、小滝はさらに面白くなる。たった1mの小滝でもハングとヌメリでボルダー5級くらいのムーブが必要となるアスレチックぶり。ゴルジュも発達してくるので登れないの出てきたら困るが、全部登れるので困らない。門のような地形から始まるゴルジュ連瀑では美しい釜を持った滝に癒されるだろう。最上部は草付きV字ゴルジュだが、ここも美しい小滝をぐいぐい登る。ヌメリが酷いのでフォローは確保したほうが良いかもしれない。三ノ峰の北に飛び出すと別山の雄姿が眩しい。
なかなか面白いのに別山谷の陰になっている不遇の谷である。歩きの区間を冗長に感じる人もいるかもしれないが、気軽に訪れる事のできる美しい谷として訪れてみてほしい。元気な人は御前峰まで足を延ばせばさらに充実すると思う。
<アプローチ>
市ノ瀬駐車場に駐車してチブリ尾根登山道へ通じる林道を歩いて入渓。大きな堰堤を2つ越えると堰堤終了。日帰りでも登れるだろうが、泊りでのんびりした。左俣1760m付近は絶好の幕営箇所だ。下山はチブリ尾根が楽。
<装備>
ピトン少し。猛烈にぬめるのでフェルト推奨。小滝でもヌメリが気になるのでたわしが欲しい
<快適登攀可能季節>
7月~10月
<博物館など>
白山ろく民俗資料館:白峰での出作り(遠方への焼き畑)の暮らしや冠婚葬祭を展示室にて紹介する。このほか保存古民家を6棟公開しており、どの構造も非常に興味深い。特に杉原家の展示は民具も含め素晴らしい。敷地が広いのでじっくり見学すると3時間くらいかかりそう。
石川県立ふれあい昆虫館:標本の数はまずまず。なにより生きた昆虫を間近に観察できる。蝶の放し飼いされた温室は圧巻である。皇太子ご夫妻もこの昆虫館を訪れている。雅子妃が温室に入った際、雅子妃の頭に蝶がとまったシーンは何度もテレビ放送された。
おぉ、富山起点さんで井谷を宣伝してもらえてて嬉しいっす。
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