九頭龍山周辺の尾根は定まった名称が無いのが現状である。本稿で東稜としたのは、丸山から1504mを経由する尾根を指す。この尾根には九頭龍山右稜という名称が用いられる事もあるようだ。
九頭龍山東稜には短い区間に雪山登山の総てが詰まっている。スコップを振り上げるのが辛すぎて途中で嫌になるかもしれない。礫岩帯をダブルアックスで登るのが怖すぎて帰りたくなるかもしれない。今にも崩れそうなキノコ雪の上で過す夜は眠れないかもしれない。それでも下山後に彼の尾根を見たとき、登ってよかったと思うだろう。それはもう二度と登らなくて良いという安堵だ。
<アプローチ>
戸隠キャンプ場に駐車。スノーシューハイキングも盛んな場所なので意外に車で一杯になる。注意しよう。下降路は雪の状態次第で一不動から谷を降りることも可能。その場合は早い。雪が多い場合は1857mピークから大洞沢へ下りる尾根を利用することになる。幕営場所は相当限られる。懸垂下降で安全圏に下りるのは難しくは無い。修行の場としては最高である。
上信越道利用ならば入山口まで3時間ほどで到着する。帰りは国道8号から18号経由でもしっかり除雪されているだろう。
<装備>
スコップは登攀具として必須。キノコ崩しはもちろん、段差を乗り越す時にはピッケルよりも安定感がある。雪が多い年はスノーバーやあぶみが必要な場合があるらしい。我々が登ったときは上部で藪を支点にあぶみを使用した。アックスはストレートシャフトが有効。ダブルアックスで登る箇所もあるので、リューシュが有ると楽だ。藪が発達しているのでスリングを多く使う。イボイノシシもあったら使うかもしれない。
<快適登攀可能季節>
2月~3月上旬。
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