2016年7月26日火曜日

打波川 よろぐろ谷~桧谷











越美山地の地名はどうも気になる。よも太郎山、たんどう谷、ゴトゴト谷、カサバノ谷、願教寺山、薙刀山。すっとぼけた系から男気系にサンバ系と多彩である。特に桧谷の右岸に位置するよろぐろ山への思いは特別な物がある。この山は漢字では与呂九呂山と記載されるのだが、筆者にとってこの漢字の並びが曲者であり、眺めてからおよそ2秒でゲシュタルト崩壊が惹起され、文字とは一体何ぞや、という索漠とした気持ちにさせられる。それ故、ここは物凄いエネルギーを持った場所なんではないかと勝手に思い込んでいたのである。

桧谷の一支流である、よろぐろ谷はナメの谷として地元では親しまれている。小さな沢で水量は少ないが、藪の合間に釜とナメの連続し趣を感じることが出来る。岩質は石徹白の倉谷に似ている。意外にガンガン登る谷で掛かりの良いフレークホールドを繋いでいくのが楽しい。登りつめた稜線はブナの大木が並び感激する。杉峠から桧谷へ降りるのも名前が針葉樹繋がりで何だか愉快だ。因みに杉峠に杉は生育していなかった。白滝から上部500mは絹のようなナメが続く。この絹ナメがこのラインの白眉である。やはり与呂九呂山は並みの場所ではなかった。

<アプローチ>
最短距離、最安値を狙うならば国道8号から国道157号経由で鳩ヶ湯方面へ。下小池の駐車場から林道をわずかに歩くと左側に白滝への遊歩道が有る。それを15分くらい歩いて入渓した。出合いから入渓してもよい。白滝を登りすぐ出会うのがよろぐろ谷である。杉峠からは赤布が打ってありそま道が続いている。

<装備>
白滝の登りでは一応ロープがあったほうがよい。水量が多いと登るのは厳しそう。

<快適登攀可能季節>
6月~11月。南面なので比較的早くから楽しめるのでは。秋が最も良いはずだ。

<博物館など>
白山神社の大カツラ:打波の道路沿いにある白山神社にあるカツラ。なんでも樹齢1300年とのこと(本当かしら)。折り重なった枝が時の流れを感じさせ趣がある。

白山平泉寺:白山信仰の越前側の馬場である。鎌倉~室町時代にかけては一大宗教都市であったそうだ。美濃の長滝寺、加賀の白山比咩神社も含めて訪れたい場所である。杉の並木と苔が美しい。


勝山城博物館:勝山城と越前大仏は異様なデカさで周囲の景観に全くなじんでいない。どちらも相互タクシーの創業者である多田清氏が私財を投じて建てらたそうだ。甲冑などの武具や中国の刺繍が展示されているが、うーん。有り体に述べると外観負けした博物館である。

白山恐竜パーク白峰:福井の恐竜館より鄙びていて風情がある。展示は普通。公園が併設されていて子供は楽しい。川の対岸に手取層の化石帯が露出しており観察可能。博物館のイベントで採集もしている。

<温泉>
鳩ヶ湯:2013年に以前のご主人が亡くなられ、以降、岐阜の会社が運営するようになった。最寄で日帰り入浴可能。2016年8月中旬から宿泊も可能になるとのこと。

白峰温泉総湯:昔は安くて汚くて良い銭湯だった。綺麗になって値段も上がった。でも良い温泉。

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