2017年8月21日月曜日

川九里沢右俣
















高瀬川流域で最も急峻な谷が川九里沢である。左俣出合いは滝壷の無い大滝となっており異様である。壁に水が流れているような地形だ。一方、右俣は地形図では左俣より傾斜は多少緩くみえる。ところがどっこい、この右俣も十分に険しい谷だ。出だしの驚愕スケールひょんぐり滝と70mの美瀑がこの谷のハイライトである。遡行する場合は大滝登攀を楽しめる可能性はあるだろう。この谷を訪れる篤志家には水線突破の可能性をぜひとも探って頂きたい。筆者らはこの谷を下降で訪れたが、緊張の続く展開に酔いしれた。

花崗岩の作り出すゴルジュは幅があって楽しい。五十沢本流のような芸術的な造形もあれば川九里沢のような地獄的造形もある。地獄造形の場合、土砂崩れが発生しやすいので遡行内容が変化する。これが新鮮さと冒険性を遡行者にもたらすのだ。美しいだけが自然じゃない、荒々しさもまた深い味わいがあってよろしい。

<アプローチ>
 七倉ダムに駐車し高瀬ダムを経て湯俣方面へ。アプローチの歩きが長い。遡行する場合、快適で安全な幕場に恵まれないが、1798m以上であれば整地して張れる場所も有る。ちなみに、遡行・下降どちらの場合でも1798m二俣は左に入った方が滝が続き楽しいはず。何処を下降するかは非常に悩ましい。水俣川、高瀬川方面に下降可能な沢はどれも急峻で楽には降りられない。これも下降を楽しむ気概で臨めばまた一興である。コジ沢が一番近くて無難な気がする。

<装備>
カム一式、ピトン各種、ナッツ、クライミングシューズ、鐙。下降しただけなので良く分からないけど。一部ぬめるスラブ滝も有るのでフェルト底が無難か。

<快適登攀可能季節>
7月~10月上旬 下部の核心部地帯は意外に水量が多い。水線突破を狙うならば秋が勝負か。標高が高いので寒さ対策も忘れずに。

<博物館など>
大町山岳博物館:資料館が素晴らしい。剥製の展示も豊富で躍動感、物語性があり見入ってしまう。ボルダリング壁も一回100円で一日利用可。

塩の道ちょうじや:庄屋であった平林家を展示。千国街道から運ぶ塩は瀬戸内産だったそうな。北前船で糸魚川まで運ばれ、そこから大町まで運んだとか。にがり甕の知恵に感動。

<温泉>
上原の湯:400円で石鹸&シャンプーが付いている温泉。
薬師の湯:温泉博物館と酒の博物館が近くにある。600円。
みみずくの湯:白馬にある日本有数の強アルカリ泉。入って損は無し。

<グルメ>
昭和軒:大町駅近くにあるカツ丼の店。大盛りはプラス100円で凄い量が食べられる。

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