赤沢岳北西壁へ訪れる登山者は少ない。訪れたとしても、スケールの大きな右岩壁が殆どであり、スケールの小さい左岩壁をわざわざ登る人間は偏執狂に違いない。左岩壁は登山大系では傾斜は強いと記載されているが、実際の傾斜は寧ろ緩い。傾斜が強い所へルートが開拓されたという表現が的確のように思う。凹状の弱点が多いので、どこからでも登る事が出来るだろう。場所によっては崩壊が進んでおり注意が必要となる。
鳥の巣カンテ左と仮称したラインはすっきりとした傾斜の緩い凹角から登り始める。ベルグラが発達していれば快適で気持ちが良い。続く2P目はやや被り気味のコーナーを緊張感が楽しいフッキングで3m登り岩塔を目指す。上部のガレ凹角のムーブも面白い。岩が脆い部分で注意は必要であるが、プロテクション自体は取り易く効きも良好だ。登攀は2Pと短いが内容は多彩で締まっている。北西壁左岩壁は赤沢岳をより深く知る上で一度は登って損は無いと思う。
<アプローチ>
日向山ゲートから扇沢まで歩いて大沢小屋から屏風尾根に取り付く。屏風尾根の稜線直下は絶好のベースキャンプ地である。屏風尾根の頭から赤沢岳山頂まで行き、山頂から西尾根側を少し下る。そこから遭難碑プレートが埋めてある岩がある所から(状態次第では埋まって良そう)大スバリ沢側の急峻なルンゼを下降する。西尾根の頂上から3つ目、ダケカンバの群生するコルを北側へ乗越し壁へ通じるルンゼをクライムダウンする。頂上からのルンゼ、壁へ下降するルンゼいずれもかなり急で慎重さを求められる。中央稜を乗越して(時間が懸かりそう)左岩壁へ取り付く。日向山ゲートまで富山市内から国道8号~148号で3時間と少々。
<装備>
カム一式、ピトン各種、トライカム、ボールナッツが有効
<快適登攀可能季節>
12月~4月上旬 3月になれば積雪状態次第で1泊2日で2本登ることが出来る。北西面なので割と遅い時期まで楽しめるかもしれない。概念を把握していて気合を入れれば日帰りも可能だと思う。ただ、扇沢は東面なので谷筋をアプローチにするのは賢明ではない。
<博物館など>
大町山岳博物館:資料館が素晴らしい。剥製の展示も豊富で躍動感、物語性があり見入ってしまう。ボルダリング壁も一回100円で一日利用可。
塩の道ちょうじや:庄屋であった平林家を展示。千国街道から運ぶ塩は瀬戸内産だったそうな。北前船で糸魚川まで運ばれ、そこから大町まで運んだとか。にがり甕の知恵に感動。
<温泉>
上原の湯:410円で石鹸&シャンプーが付いている温泉。
薬師の湯:温泉博物館と酒の博物館が近くにある。
みみずくの湯:白馬にある日本有数の強アルカリ泉。入って損は無し。
<グルメ>薬師の湯:温泉博物館と酒の博物館が近くにある。
みみずくの湯:白馬にある日本有数の強アルカリ泉。入って損は無し。
昭和軒:大町駅近くにあるカツ丼の店。大盛りはプラス100円で凄い量が食べられる。
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