2018年4月15日日曜日

大倉山






大猫山、猫又山へと通じる東芦見尾根の稜線はべろべろっとした平坦な地形だ。北は片貝川、南は早月川と富山でも屈指の急激流河川を従えているが、派手さはなく地味でお局的なイメージがある稜だ。藪が埋まった残雪期には素晴らしい眺望とともに稜線漫歩を楽しめるのが魅力である。

大倉山は東芦見尾根の中では最も登られている山頂と言える。冬期も道路は除雪されているので通年登る事が出来る。剱岳の展望台としても素晴らしい山だ。下部尾根の登りそのものはやや単調で面白みに欠けるが、春はイワウチワの大群落が迎えてくれる。見上げればタムシバも柔和に微笑んでいることだろう。薄紅と白の色彩は春の浮かれ気分を一段と浮き浮きさせる。1050mを越えると一気に眺望が開け気持ちよい。山頂はだだっぴろく、天気が良い日にテントで泊まったら楽しそうだ。日帰りハイキングだけではなく、毛勝山まで縦走して片貝へ下りるという計画も興味深いはず。下山は山菜を採集しながら林道を歩くといい。桑首谷のせせらぎに足を浸せばまた楽しい。雪代の流れへ糸を流すのも面白い。もちろん春のみならず、夏秋冬も魅力的に違いない。

<アプローチ>
馬場島へ向う県道を進み、剣橋を過ぎたら直ぐに桑首谷の林道が出会うので入り口に駐車する。林道を歩いて尾根に取り付く。無雪期は尾根の登山道入り口まで車が入るようだ。

<装備>
冬~春はワカンなど冬山装備

<快適登攀可能季節>
通年。

<温泉>
アルプスの湯、ゆのみこ温泉

<博物館など>
滑川市立博物館:上市町のイメージが強い早月川だが、人の住んでいる殆どの流域は滑川市を流れている。流域の自然と人の営みをバランスよく知る事ができる。手の込んだジオラマも学習の一助となる。

西田美術館:ロシアイコンや曼荼羅が展示されている。そして剱岳の資料が豊富。魚津岳友会の会報が熱い。

大岩山:行基菩薩の石仏は大迫力。夏はそうめんが名物で多くの観光客が訪れる。

富山県薬用植物指導センター:5月中旬に芍薬の花が満開になるとても綺麗。五月の連休より少し後が見頃になる。芍薬は生薬として用いられるので栽培されている。有効成分はペオニフロリン。有名なのは甘草との組み合わせたもので芍薬甘草湯。グリチルレチン酸との組み合わせである。




0 件のコメント:

コメントを投稿