加賀の名山、大日山の谷は期待を裏切らない。沢床は硬い火山性の岩盤に被われているため、沢登りは滑床を撫愛する水を楽しみつつ、程よい緊張感のある滝で標高を獲得していく。山頂にある笹原の爽やかな風は何とも心地よい。この標高で山頂が笹原となっているのは不思議で興味深い。下山の登山道では樹齢の整った素晴らしいブナ林が深い感動を与えてくれる。あまりにも整ったブナ林なので、植林か山火事があったのではないかと思うほどだ。
さて、大日沢の北を流れる千束谷もこの山らしい沢である。だが、前半の美しいナメに心を奪われていると手強い連瀑帯が現われるので気は抜けない。ここは巻くにせよ、登るにせよ一寸した覚悟が要るだろう。連瀑以降も楽しい小滝が続く。山頂付近の藪はマイルドで殆ど漕ぐ必要は無い。大日沢で物足りない、もう少し酸味を味わいたい人にお勧めの沢である。
<アプローチ>
富山からは少し遠い。高速道路で加賀インナーまで行った方が楽だろう。一方、下道の場合は国道8号から国道364号線を南下し大日山登山道の入り口に駐車する。この場合おおよそ2時間半で到着する。林道を適当に歩いてから入渓。地図では千束ヶ滝まで道が続いている事になっているが、実際は荒れており歩きにくい。さっさと沢へ降りた方が良い。千束ヶ滝は難しそうでは有るが水量次第で登れそうであった。下山は小大日山からの登山道を利用するのが無難である。篤志家は大日山を登ってから大日沢を下降すると充実するだろう。
<装備>
カム少々、ピトン少々。
<快適登攀可能季節>
6月~10月。アブやブヨが多い場所なので新緑か秋が良いと思う。
<温泉>
山中温泉:下山後は総湯菊の湯をおすすめする。銭湯風の公衆浴場で石鹸は持参する必要があるものの、440円とリーズナブル。男女は別建屋となっている。
<温泉>
山中温泉:下山後は総湯菊の湯をおすすめする。銭湯風の公衆浴場で石鹸は持参する必要があるものの、440円とリーズナブル。男女は別建屋となっている。
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