稜線の東西に岩壁を有する不帰という山は猛烈で激烈に魅力的である。東面は雪を纏った泥臭く総合力を試されるルートが目白押しであるし、西面は美麗に凍る岩壁がスタイリッシュなミックスクライミングを提供してくれる。言わずもがな、スキー愛好家にとっても特別な山であろう。
西面はスケールの大きな第一尾根にしか注目されないが、ショートルートも捨てがたい。第一尾根以外の壁の構成がごちゃごちゃしていて解りにくいが、適当に登ってもピリリとした登攀が楽しめるのがいい。筆者らは中央チムニー(これは解りやすい)の右隣にある凹角を適当に繋げて登ったのだが、部分的なハングも現われ実質2Pだったものの相応に充実した。途中に残置が1つあったので第二尾根右稜を少しは辿ったのだと思う。手でつかめるホールドが少ないのでフッキングとトルキング、はたまたジャミングなど冬壁らしい楽しさがある。上部は登山大系の記載と違ったのでどこを登ったか解らない。第二尾根右稜付近は程よい傾斜と形状なので、トポは仕舞って気分に応じて適当に遊ぶのが粋だ。
<アプローチ>
Ⅱ峰南峰、北峰間のコルからルンゼを下降する。すぐ左手に見える顕著な岩峰が第一尾根である。Cルンゼを下降し、Bルンゼを少し登ってA・Bギャングウェイから続くバンドを確認したら大体取り付きだとおもう。短いルートなので、1日あれば西面をもう一本登る事が出来るだろう。
<装備>
カム一式、トライカム少々、ピトン各種。
<快適登攀可能季節>
12月~3月。西面なので雪が締まっている事が多いはず。八方尾根のアプローチも良いので厳冬期でも割と登り易いと思う。初冬の足慣らし、雪稜と組み合わせての継続登攀など良い。
<温泉>
みみずくの湯:日本有数の強アルカリ泉です。周辺の温泉は有名。入って損は無し。
倉下の湯:みみずくの湯を含む白馬八方温泉とは源泉が異なり、ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉。価格も同じ600円なので気分応じて入り分けられる。
倉下の湯:みみずくの湯を含む白馬八方温泉とは源泉が異なり、ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉。価格も同じ600円なので気分応じて入り分けられる。
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