山を多方面から執拗に登るのは楽しい。ある山について東西南北の谷それぞれを詰めたり、小さな支流を探索したり、季節を変えて訪れてみたり。その山のありようについて徐々に理解が深まってくる感じが嬉しいのである。では、どんな山を対象とするかだが、あんまりにも大きな山だと全貌を掴めるのか自信が持てなくて索漠とした気分になる。一方、2000m以下のほどよいサイズの山なら、もしかしたらこの山の全てを知る事が出来るのではないか?といったポジティブな誤謬に陥る。沢登りで地域研究の対象となる山は大体そんな山塊だ。クラスで1番可愛い子より3~4番目に可愛い子の方が人気が有ったりする、あれに似ている。白木峰は筆者にとってそんな対象だ。と言ったら女の子と白木峰の逆鱗に触れるので言わない。
さて、大谷である。国道の出合から取水堰堤まではただの川原に堰堤が続くのでカットしても良いと思う。取水堰堤から少しさきからゴルジュ連瀑が始まる。下の方は弱点があるので登り易い。上部の滝も水量が少ない時期を狙いギアをしっかりと準備すれば登れそうである。以降は散発的に現われる小滝を快適に登り白木峰へ。日帰りで白木峰へ登るバリエーションルートとして価値が高い沢である。
<アプローチ>
国道が開通している場合は谷の出合近くに小さな駐車スペースが有るのでそこに停める。未開通の場合はゲート前に留めて歩く。取水堰堤から登る場合は白木峰登山口へ向う林道を利用する。下降は登山道を利用するのが良い。
<装備>
連瀑を登るのであればカム、ピトン。巻くのであればスリングのみでOK。
<快適登攀可能季節>
6月中旬~10月。
素晴らしいコメント同感です。
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