登山大系において裏金山谷は当該山域で最も困難と記載されている。はい、きました。いつもの沢屋ホイホイ文言ですね。そうは言っても、笹ヶ峰上流の真川は富山からだと回り込む形となりちょっと遠い。火打山の湿原や鍋倉谷といった興味深い場所があるにも関わらず、縁遠い場所であった。しかし、よくよく考えてみると糸魚川側(海川側)と小谷村側は接しており、山越え入山すればそれほど遠くない事に気づく。そんじゃ、ってんで夏の継続遡行の形式で訪れる事にした。
出合いはすごく平凡でうっかりすると見逃がしそうである。遡行し始めてすぐ、滝マークがある地点からちょっと渋い小滝が続く。ここは海谷と似た黒ぬらぬら砂岩系である。一旦普通の川原歩きとなるが、東面で日当たりがよく開けているので大変気持ちが良い。20m滝は直登可能なようだが、雪渓が続いたため高巻かざるを得なかった。右岸から巻いたが草付きが悪く意外と渋い高巻きであった。以降、白滝を筆頭に美しい岩盤となりキラキラとした遡行が楽しめる。登山大系に記載のある10m滝は右岸から取り付いてしまうと、沢床へ戻るのが難しくなる。岩場も悪いうえ、上部草付きも嫌らしいのでお勧めできない。ゴルジュマークを抜けて以降、断続的に表れる雪渓のため沢床が味わえないのが残念であった。筆者らはズタズタの雪渓が続いた右俣へ入らず、中俣を登った。中俣は水が枯れて乾いており概ね快適であるが、土砂が堆積した枯滝がやや難しい。酷い藪漕ぎは無く金山山頂へ出ることができる。
明るく開けた沢に登りごたえのある滝とナメが現れる美渓である。この沢の本領は雪渓が無くなってからにあるのであろう。紅葉の時期にでもまた訪れてみたいものである。
<アプローチ>
糸魚川方面から継続で訪れたので、妙高側からのアプローチは不明。多分笹ヶ峰のキャンプ場に駐車して登山道を歩くのだと思う。詰めあがったのちは、富士見峠からの登山道か、地獄谷或いは金山谷を下降する。登山道下山ならば日帰りは十分可能。
<装備>
カム少々、ピトンをナイフブレードからロストアローを少々。足回りはフェルト推奨
<快適登攀可能季節>
8月~10月。頸城では最も遅くまで雪渓が残る山域であり、寒さの訪れも早い。よって旬の時期は短い。雪渓の処理を考えると9月以降が好適だと思う。
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