2020年9月23日水曜日

境川 フカバラ谷


 










境川では大畠谷が注目の的となり遡行者はとても多いようだ。大畠谷は元々それほど悪さはない爽やかな登攀系の沢だが、登りこまれることによって巻きのラインが明瞭となったり、残置が増えたりすることで容易になっていくであろう。一方、フカバラ谷は現状では遡行者の痕跡は多くなく、巻きも登攀も北陸らしい悪さを備えた素晴らしい谷である。

しばらくは本流遡行で歩きが続くが、フカバラ入渓直後のシャワークライミング、続く15m滝の登攀の悪さでスイッチが入る。以降しばらくは容易な巻きと小滝が続くがゴルジュ地形を基調とした渓相は美しい。1238mの大滝を嫌らしいスラブ登りで巻くと核心部終了。と思いきや、滝上部の左俣に入ってから悪い小滝が連続する。1400mくらいから谷はおとなしくなり以降は順調に標高を上げることができる。

個人的には境川流域では最も悪く感じたのだがどうなのだろう。ともあれ、ほかの支流と同じく絶品なのは間違いない。フカバラ谷には遡行者の痕跡が少ないままで悪さを保っていてほしいと思う。

<アプローチ>
桂湖の駐車場に駐車し大畠谷出合いから入渓。フカバラ谷出合いまでは本流遡行だが難しくない。笈ヶ岳へ向かう左支流に間違わないように注意する。フカバラ谷出合いはゴルジュ状になっているので迷わないだろう。この二俣付近か少し手前には幕営適地がある。以降、快適な幕営地は無いが、好天ならばなんとかなる場所は幾つかある。下降はフカバラ尾根が楽。

<装備>
カム、ピトン各種。草付き用にハンマーはアイスバイル状のものを必携

<快適登攀可能季節>
8月~10月。白山はなんといっても秋がいい。

<温泉>
くろば温泉:国道沿いに有るのでわかり易い。600円也
五箇山荘:高速のインターを少し過ぎたところにある綺麗な温泉。500円也

<博物館>
世界遺産の五箇山集落に古民家があり歴史を学べる。平家の落ち武者によって拓村された。そして、囚人を幽閉する場所でもあった。古い流刑小屋もあるので立ち寄ろう。江戸時代には、加賀藩の火薬庫で塩硝を製造していたそうだ。ブナオ峠から火薬を運搬していたのだろうか。そんな思いを馳せながら山を楽しもう。

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