産業構造が変化する現代社会、特に巨大IT企業4社GAFAの台頭が目覚ましい。山登りにおいて、その権勢を痛感する機会はあまりなかったのだが、今回ばかりは舌を巻いた。
庄川タキノツボ谷なんて谷は国土地理院発行の地形図に収載されていない。あるとき、目的地への道筋をGoogle MAPで調べていたら、全くの何の観光地的な場所でもないのに滝の名前が示されているのに気付いた。タキノツボ谷の滝。聞いたことがない。写真には岩壁も映っているし、地形図で谷が少し深そうに描かれていているのも興味をそそられる。秋深まる10月半ば、良い形の山に埋められた三角点ゲットとキノコ狩りを兼ねての山行とする。
林道に掛かる下山橋から望むタキノツボ谷はものすごい傾斜の谷だ。奥には写真で確認した大滝が見える。ちょっとした小滝を登ると大滝とご対面。石灰質が混じった飛騨帯片麻岩はよく磨かれたスラブ状の岩質なので登ることは難しい。右岸から巻きに入る。少しだけ悪い部分もあるが、富山的にはフレンドリーな部類な巻きである。大滝以降はおとなしい渓相となる。荒れたた印象はないものの、水量が少ないためか谷内に倒木は多い。地形図であらわされているほど深い谷には感じなかった。ときどき小滝が現れるが快適に登ることができる。無事に1001.6m三角点を踏んで(驚くべきことに新しい赤テープがあった!)、南側の清水谷へ下降する。清水谷の方が平均傾斜が強いためか小滝の数が多い。沢登りとしては清水谷の方が楽しめるかもしれない。下降は殆どクライムダウンでこなすことができた。
Googleさんにはノーマークだった谷を気づかさせてくれて感謝なのだが、一体どうやってこの谷の情報を収集して載せているのだろう。滝マニアのサイトをAIが監視していて、地図上に名称を加えていくのだろうか。そういえば、沢登りの対象となる谷にも名称記載があったりするなぁ。
<アプローチ>
祖山ダムから大牧温泉へと続く林道へ入り、清水谷出合い付近の広場に駐車して歩いて入渓。
<装備>
スリングのみでOK
<快適登攀可能季節>
6月~11月新緑と紅葉の時期が素晴らしいと思う。
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