2021年3月2日火曜日

大スバリ沢奥壁 トックリ岩稜ルート




大スバリ沢左岩壁で最もポップなラインはトックリ岩稜だと思っている。ロープをみっちり伸ばして合計3ピッチと短いが内容はしっかり詰まっていて充実する。グイグイ登れて早く終了するので、屏風尾根アプローチ終了後に登るのが丁度いい。

出だしの形状豊かで傾斜の強いクライミングは面白く、それ以降のフェースも大まかで自由なライン取りを楽しめる。取り付きはルンゼを下降して壁が見え始めたら、顕著な凹角が目に入るので直ぐに分かるはず。ルート名の由来となったトックリ岩はもう存在しないのだろうか、それとも1ピッチ目の左側にあるピナクルがトックリなのだろうか。後者だとしたら、あのピナクルをトックリと言い表したキレっキレの感性に驚嘆する。登山大系にある記述と内容が全然合わないような気がするけど、あまり気にせず楽しもう。

<アプローチ>
日向山ゲートから扇沢まで歩いて大沢小屋から屏風尾根に取り付く。屏風尾根の稜線直下は絶好のベースキャンプ地である。屏風尾根の頭から約10分ほど赤沢岳側に歩くと西側、標高差約80m程下にC岩峰が見える。C岩峰は意外に丸いので見落としやすい。C岩峰のコルを乗越し、急峻なルンゼをクライムダウンする。ここは結構緊張する。やがてトラバースできるバンドが出てくるのでトラバースしていくと左岩壁に出る。登攀終了後は雪面を詰めれば容易に稜線に達する。

<装備>
カム一式、ピトン、トライカム。

<快適登攀可能季節>
12月~3月 3月になれば積雪状態次第で1泊2日で2本登ることが出来る。概念を把握していて気合を入れれば日帰りも可能だと思う。ただ、扇沢は東面なので谷筋をアプローチにするのは賢明ではない。

<博物館など>
大町山岳博物館:資料館が素晴らしい。剥製の展示も豊富で躍動感、物語性があり見入ってしまう。ボルダリング壁も一回100円で一日利用可。

塩の道ちょうじや:庄屋であった平林家を展示。千国街道から運ぶ塩は瀬戸内産だったそうな。北前船で糸魚川まで運ばれ、そこから大町まで運んだとか。にがり甕の知恵に感動。

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