川は共同体で沢は個人。みたいなイメージがある。そんで、大きな支流が集落で、各沢の中でも同じような渓相と生き物が生息する流域は家族だ。一番大きな支流を本家として、あそこと似通った渓相だけどちょっと違うって時は親戚として4親等。といった沢の分類はどうだろうか。難易度にすると隠れてしまう個性が少しだけ表現できる気がするのだが。
高原川左岸鼠餅~赤桶の区間は見どころのある沢が多い。面白い遡行が味わえるのはある程度水量があって浸食された谷と予想されるものの、水量の乏しい谷も調査してみた。蓼之俣谷とはその名の通り、奥飛騨温泉郷蓼之俣谷集落で高原川と合流する沢だ。林道入り口の看板から地元では別名で呼ばれているようである(名称忘れた)。谷の平均傾斜は緩いが、比較的急な地形なので予期せぬ遡行内容かもと期待し入渓。出合いから土砂が多く谷は荒れた印象である。土砂ばかりかと思いきや、白水谷系の赤ナメ渓相を呈する区間と土砂区間が交互に現れるという興味深い渓相だ。沢上谷の灰色ナメではないのが面白い。概ね土砂っぽいのだがシダと苔の美しさに癒される。時々小滝を挟みながら1150m二俣まで行くと水量は急激に少なくなる。少しだけ左俣の様子を伺ってから退却した。系統としては赤谷家だけれども3親等外という印象だった。
大地の成り立ちを鑑みると沢における家族制度は強固だ。そこではぐれ者の単身者に出会えたら凄く嬉しくなりそう。では、単身者に出会える場所はどのような場所なのだろうか。火山の谷は難しそうだ。堆積岩メランジュの各層の厚みが異なっていて、規模大き目の褶曲作用が生じているところなんかどうだろう。自然の遊びは勝手に定義して勝手に楽しむのがいいね。
<アプローチ>
蓼之俣集落の奥にある私林道のゲート前に停めさせてもらう。最終堰堤の至近まで林道が伸びている。その上から入渓する。下降は柏当谷が無難順当。
<装備>
多分沢靴以外特に何も要らない。
割石温泉<快適登攀可能季節>
5月~10月 高原川にはアブはあんまりいない気がする。
<温泉>
<温泉>
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