無雪期、県内で一番好きな山は白木峰かもしれない。思い立ったらふらっと行けるのに、池塘は綺麗、森もいい感じ、山菜も取れて釣りもできる。この山の一番の適期は6月から7月のお花のシーズン。夜明け前から登り誰も居ない浮島の池でのんびりするのがいい。
ハイキングでは言わずもがなの名山だが谷も滋味に富み味わい深い。真川谷は県内では有数の遡行距離が長い沢である。小気味よく小滝が連続する東又谷と白木峰に詰めあがる本谷が割合スケールも有る良き沢だ。本谷は下部標高800m地点まで発達したゴルジュが散発的に表れる。ゴルジュ地形となっている箇所は明確に石灰質片麻岩(大理石のような岩)に角閃岩が交じり合い芸術性に富む。技術的にはさほど難しくはないものの、ピリ辛要素もあり楽勝でないためロープでの確保は欲しい。800m以降も美しい小滝と温かみのある優しい森に抱かれながら楽しく遡行する。浮島の池へ直接ぬけるため1080mから左俣へ入った。不思議なことに左俣へ入ると割合直ぐに水が伏流する。水が涸れた石灰質片麻岩の川原は白く眩しい。岩の白に木々草木の緑が一層映えて嬉しい。水が流れないと鳥のさえずりも澄みわたり、のんびりしたくなる。辿り着いた浮島の池ではワタスゲが満開。一輪だけ咲いたニッコウキスゲもまたよかった。
山登りの魅力が濃縮されあらゆる要素が散りばめられたルート。総合点で県内屈指の名渓と評したい。難渓指向派には物足りないかもしれないが、逍遥系をお好みならば是非ともどうぞ。
<アプローチ>
白木峰の登山口へ車を一台デポしてから猟師ヶ原堰堤へ行き入渓。山頂からは小白木峰へ行って第四発電所へと下降するルートを推奨したい。こちらの方が池塘が美しく森も綺麗。
<装備>
ピトン少々。足回りはフェルト
<快適登攀可能季節>
7月~10月。6月中旬~7月上旬に訪れてほしい。
<温泉>
大長谷温泉:小さいけどアットホームな良いお風呂。露天風呂はいつもぬるい。
大長谷温泉:小さいけどアットホームな良いお風呂。露天風呂はいつもぬるい。
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