何たらの名山、かんたらの名山と称される山があると登りたいと思う。誰かが良いといった事柄には何か理由がある訳で、それが言われ続けているのであればやはり魅力があるのだろう。他者の価値観に相乗りすることは決して悪い事では無く、新たな発見の種と捉えたい。数多ある国内の名山業界の頂は深田久弥選の日本百名山ではないだろうか。これまで幾つ登ったのか分からないが、本州中部の百名山山は登った。と思っていた。何!甲武信ヶ岳は百名山とな。ならば、法螺の貝から釜ノ沢を経て登る豪華絢爛コースから登るしかない。
富山からのロングドライブを経て到着する西沢渓谷入り口は想像以上のハイカーで賑わう。首都圏から近く美しい渓谷が手軽に親しめるためだろうか。登山者以外にも気軽に自然に親しみ楽しんでいる人がいると何だか安心する。
全然調べていないため、どこが法螺の貝ゴルジュなのか解らないまま、最初に出てくる滝を登る。滝の左に良いクラックがあり登り易い。後から、ぐーと狭くなるところが出てきてそこが法螺の貝ゴルジュだった。アベレージより水量はずいぶん少ないようで威圧感なく楽しめる。4mくらいの滝の左岸を登るところが悪くフリーだと5.10bくらいだと思う。カチ持ちからのスラブ面立ちこみ、ガストン切り返しと結構ムーブがあったような。この部分は残置は無いし、丁度いいリスとクラックもないので否応なしにフリークライミングとなるかも。あとは泳いだりヌメヌメをロープ出して登ったりしたら終了。ゴルジュ以降は川原歩きが続く。東のナメ沢なんか壮観で登ってみたくなる。所々現れるナメ滝と釜にうっとりしながら釜ノ沢へ。ここもナメ滝が続いたのちに広河原に出て以後はガレがメインで散発的にスラブ状を巻いていく。甲武信小屋に直接出る沢が容易そうだったので、そちらを選択するとポンプ小屋に出て道を使い登山道へ出る。甲武信ヶ岳の山頂は想像よりずっと素晴らしく眺望をたのしんだ。たまには遠出でメジャーな山も悪くない。沢の中に看板が有ったり、巻き道が示されていたりと吃驚するよ!
ところで、時代は価値の多様化甚だ著しい令和である。もっといろんな名山を選定して広く登山普及を狙ってはどうだろうか、水、土壌など環境DNAを指標にした生物多様性の名山、逆の生物多様性が低い名山というのも面白そうだ。他にも日本有史以来歴代総生産額(GDP)百名山、陸生貝類の名山、土木建築の名山、北東の風が卓越する名山、土壌カンタリジン濃度が高い名山、ハネカクシ生息の名山、ドロムシの名山、木地師の名山、アニメ聖地の名山など幾らでも指標設定はできそうな気がする。何を指標にするかによっては全ての山が名山に成り得る。そうなれば誰でも山に登ってみたくなるかもしれない、裾野が広い遊びなのである。名山とは心の所作、いつも心に名山を。
<アプローチ>
西沢渓谷入り口に市営駐車場があるのでそちらに駐車する。うっかり遅出すると満車となり、売店横の有料駐車場を利用することになる。少し林道を歩いてから鶏冠沢手前の吊り橋付近から川原を歩き始める。下山は登山道を利用すると楽。早立ちすれば日帰りも可能だが、富山から遠いのでのんびりお泊りした方が楽しい
<装備>
カム少々、ピトン(ナイフブレード、ペッカー)、持って行かなかったがクライミングシューズが有効だと思う。足回りはラバーソールの方が登り易い。ウェットスーツも有った方が快適
<快適登攀可能季節>
全然知らないけど水遊びなら7月~9月が快適そう。
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