2023年9月21日木曜日

布施川本流









県内河川における布施川の存在感は乏しい。僧ヶ岳の仏ヶ平を源流とし、田籾川と合流後河口間近で片貝川と合わさる。ダムが建設されているが流程距離約20㎞の小河川であるがゆえ、農業利用範囲は広くはない。そのほか洪水調整と消雪設備用水としてひっそり活躍している。そんなこんなで地域住民にしか意識されない川なのかも知れない。

鼻の滝から入渓すると水が綺麗でとても冷たいことに驚く。鼻の滝は壁からの放水だし、本谷の水量も安定している印象があるので湧水系の谷だろうと推察するところである。予想外のゴルジュと予想以上の堰堤数を乗り越えて進む。堰堤は人の往来を想定していない作りで、異様に悪い巻きを強いられる。こんなことでへこたれていては人生百年時代を生き抜けないので頑張っていこう。川原に転がる花崗岩はピンク色の長石を含んでいるのでカワイイ。沢登りにカワイイ要素を感じることは殆どないため、相対性理論により圧倒的なカワイイを誇る谷といえよう。小杉谷を分けてからすぐに現れる滝は微妙に悪い。地形図より側壁が高い印象を受けるので緊張感がある。うねうねゾーンから益々側壁が高くなり、地形図間違ってんじゃないかと疑い始めるとムズ楽しそうな小滝出現。クラックが発達しているので楽しく登れる。右岸ガレマークを過ぎると途端に沢が開けてBダッシュが気持ちいい渓相となる。登るにつれどんどん水が冷たくなるのが面白い。水が美味しい。林道で合流する地点で遡行を終了とした。

下山の方法が少し面倒なので足が向かないかもしれないが、行ってみたら楽しめる谷である。ところで県内の地質図でP/T変成岩の縦縞模様になっている当該地域だが、登ってみてあんまりピンとこなかった。あの意味深な細かいうねうね、どうやって調査して誰が設定したのだろう?

<アプローチ>
車を一台僧ヶ岳の烏帽子登山口へデポしないと下山が難しい。鼻の滝を見物する駐車場に駐車。展望台から適当に藪を漕いで入渓。林道が合流して遡行を終了してもいいし、仏ヶ平まで登って僧ヶ岳を登頂するのもいい。

<装備>
カム#1まで。足回りはフェルトでもラバーでも可

<快適登攀可能季節>
7月~10月。

<温泉>
尾の沼体験交流施設 とちの湯:露天風呂の眺めが良いお風呂。閉店は17:00と入浴施設にしては異例の早さなので注意。
バーデン明日:遅くなったらこちらへどうぞ。露天風呂もきもちいい。

<博物館>
下山芸術の森発電所美術館:時おり興味深い展示をやっている。冬季は休館するので注意。
魚津水族館:歴史有る水族館で主に県内に生息する魚を展示。こじんまりとしているが魅力的な水族館。可愛いPOP解説も面白い。
魚津埋没林博物館:でっかい木が沈んでいるだけなのだが、なぜか趣がある。
帰りには生地の道の駅で新鮮な魚を買って帰るのもいい。

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