中央アルプス屈指の名渓と称される中御所本谷である。屈指というのは指折りという意味なので、手足含め20位以内のランカーという事になるのだが、日本人の慣用的には5位乃至は10位以内ではないだろうか。中御所谷への名声は聞くもののあんまり乗り気にはなっていなかった。強制的に乗り物を使わされる感があり、しかも頭上から丸見えとなると積極的にならない人が多いはず。そういう訳で、中御所本谷だけの為に訪れるのは勿体無いと考え、継続遡行スタイルで臨むことに。皆が行くから易しいと高を括っていたわけだが・・・
日暮の滝という粋な名前の付いた大滝登りから遡行が始まる。いきなり思っていたよりもちゃんとクライミングとなり、意外~と思ったらそこから滝に次ぐ滝、美瀑揃いの沢屋天国である。しかもどれも大きくてロープなしで登るには嫌らしい雰囲気で油断ならないと来ている。順層かと思いきや逆層になってみたりするので、情報無しでは安易にロープなしで取り付くのは怖い。アプローチが良い名渓にありがちな残置が少ないのも心地いい。中盤のゴルジュ大滝連瀑は圧巻である。ここは唯一踏みあとがしっかりしていて気楽に見物できた。気持ちの準備をしていないので疲れてきたころにロープが要らない快適連瀑となる。そして最後は岩場に囲まれたカール内の絶景に飛び出す感動のフィナーレ。お花畑最盛期の7月だったなら更に素晴らしかった事だろう。
中央アルプスの谷は詳しくないけども内容的には1番に成り得るのではないだろうか。全然簡単ではないので沢慣れした人も確実に楽しめる。他の沢からの継続は勿論楽しいけど、宝剣岳の岩場へ継続も魅力的だ。沢登りとクライミングを併せて週末を遊ぶのが良いと思う。そういえば、ロープウェイに乗ってみたら眺めも良いしビューンと速くて面白いものだった。並んで乗るこの感じはもしかしたら、もしかしてディズニーランドに似ているのでは。たまには乗り物乗車も発見があってよい。
<アプローチ>
一般的にはしらび平駅までバスを利用して遊歩道を歩いて入渓するそうだ。筆者らは梯子ダルから継続したので、濁沢を下降してそのまま取り付いた。上部に人が沢山常駐しているので、沢の水は飲まない方が良さそう。下山はロープウェイを使うとあっという間。
<装備>
カム一式、ピトン少々。足回りはラバーが有利。
カム一式、ピトン少々。足回りはラバーが有利。
<快適登攀可能季節>
7月~10月。標高が高いので秋は寒さに注意。
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