加須良川上流域の支流は魅力的ではあるものの一泊二日の日程を要するものが多い。日帰りで行けなくもないだろうが、歩行禁止のホワイトロードに閉ざされていることもあり気楽に登山する事が難しい状況になっている。更に河川知名度の低さと近隣の境川が高名であることも重なり訪れる人は稀だろう。
そんな加須良川で比較的気楽に行けるのが420m右岸支流。沢筋はここ数年の豪雨によって土砂が堆積しておりこの流域の美さが損なわれているのがちょっと残念。殆どの北陸の小さな沢は集中豪雨が起こると楽しめなくなっていくのだろう。因果なものである。それでも小滝登りはそれなりに楽しめ、滝マークの大滝も見ごたえがある。三角点を踏んでからの下降には頭を悩まされる。土砂崩れや駐車場所の都合から楽に戻れる沢を上手く探し当てないといけない。こうなると俄然山登りとして面白くなってくる。
沢を登ることだけを目的に訪れると少々物足りないと思う。三角点を目指した山登りと捉えると多様なラインが考えられる。これだけを登り降りするならば日帰りとなるが、ほかの沢と併せて登っても楽しめるはずだ。
<アプローチ>
国道156号線の加須良川出合に駐車して国道より下流側の旧道橋のたもとから入渓。1278.7mの三角点から最も近い東側677m地点へ向かう沢はどの支流も土砂崩れによる大規模山抜けが発生しており降りにくい。筆者らは三角点最寄りの馬狩谷への支ルンゼを下降したがガレの堆積や崩壊の懸垂下降など少々危険で面倒な下降だった。椿原橋へ降りる尾根には恐らく送電線巡視路が付いているので尾根に登り椿原橋まで行くと駐車地まで早く戻れるだろう。なお、加須良川左岸についている登山道マークは廃道となっているようで有ると思わない方がいい。鹿の繁殖によってか割と獣道が多くて藪は許容範囲であると感じた。
<装備>
滝マークの20m滝を登るならカム#1までワンセット、ピトン各種、足回りなフェルト+念のためクライミングシューズ。登らないのであればロープだけでOK。
<快適登攀可能季節>
8月~10月。
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