2015年10月25日日曜日

大追戸谷






















地形図もその場所を隈なく表現しているわけではない。鬼ヶ城谷の一本下流、鍬崎山北面に流れる大追戸谷は地形図に名前すら記載されていない。等高線を眺めても周辺の沢となんら変わりも無いように見える。しかし、大日平から望むとこの谷は非常に急峻でしかも開けた沢のように見えるのだ。訪れてみると、滝に次ぐ滝、異形のゴルジュ帯、その後に広がる大畠谷ばりの荒涼とした地形と何と面白い谷だろう。谷筋の岩質は飛騨帯の基盤となっている、石灰質片麻岩。下流のカラスギ谷は石灰質を含まない変成岩で構成される谷。両方登ることで、地質によってこんなにも内容が異なるのかと、自然の奥深さと宇宙の神秘を感じることが出来る。そんなこんなで岩は硬く支点の効きは良好の部類だ。どの滝も正面突破すると手強く、途中でビバークとなるだろう。殆どの滝は巻くことも可能だが、登攀要素は強い谷だ。大好きな鍬崎山の山頂へ抜けると、あとは長い下山である。

<アプローチ>
立山駅から砂防工事用道路を歩く。この道路は早朝に抜けないとならない。工事責任者と出会ったら最後、強制送還の憂き目に会う。現場のおっちゃんには挨拶をしよう。

立山駅まで富山大学からおよそ1時間。大追戸谷出合いまでおよそ一時間半

<装備>
滝を突破したいのならばカム一式、ナッツ少々、ピトン各種。鐙も有った方がよい。強烈なゴルジュ帯の先にある40m大滝は右岸を登ったがランナウトがやばかった。突破メインならばクライミングシューズをもって行くのも良いだろう。





<快適登攀可能季節>
9月中旬~10月中旬。水は冷たい。幕営場所はとても限られれう上、快適な場所はほとんど無い。地形図で登山道が横切る場所には驚くことに取水堰堤がある。登山道が生きているかどうかは不明だが、もしかしたらエスケープが出来るかもしれない。基本日帰りが良いと思う。

<温泉>
ホテル森の風立山、吉峰グリーンパーク

<博物館>
立山博物館:別館まんだら遊園の異空間を一度は味わってほしい。
カルデラ砂防博物館:僕の好きな、治水の恩人ヨハネスデレーケの展示もある。






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