ぼんやりとした明かりでだだっ広い所に大きな液晶テレビが有る。どういうわけかテレビの5m以内には近づく事は出来ない。する事もないので5mさがって茫っと画面を見ていると突然ハードポルノの上映が始まる。音声はIannis Xenakisの「Tetras」が大音量で流れているので全く欲情する事はない。画面の中で動いるのはただの動物である。25分くらい鑑賞していると、テレビを中心として半径1km位の円状に地面が轟音とともに突然陥没した。うう、これで俺も終わりかー、と後悔と懺悔に忙しくなり喜んだのも束の間、陥没した割れ目からふさふさの草が陥没したのと同じ速度で一気に生長し始めた。おろおろするうちにグラスホッパーなんかの草食虫が湧いてきて、それを貪る肉食虫、さらにそれを啄む小動物、猛禽類なんか現われて一つの生態系が形成された。ふさふさの草の中に稀に紫色の花が咲いている。匂いはきつくなく花びらが多めで弔花のようだ。空間の全体を俯瞰したくなったので、らせん状の階段を徐々に登るとする。牧歌的な円状の外側には金星の表面みたいに暴風が吹き荒れる硫酸の海がポルノTVを中心とする同心円状に牧歌的円内の約7倍の表面積で広がっていた。ややイエロー帯びた荒れた景色である。さらに階段登ると、硫酸の海の外縁エッジにパチンコ台がポルノTV同心円状一列に並び、その各台には齢40代後半の全く同じ顔をしたおじさんが何百万人と玉を打っている。当然パチンコなので、玉が出る台もあれば出ない台も有る。銀色の玉の出入り、ただそれだけに辛酸苦杯を嘗め尽くしたおじさんが一喜一憂する。パチンコ台の明滅とおじさんの感情の明滅が呼応した様はマスゲームのようで感動を禁じえない。おじさんと金星表面類似空間はどういう原理かわからないけど明確に仕切られているようで全く相関性無く存在しているようだ。一列に並んでいるパチンコ・おじさん層は薄く同心円のその外側は紺色から徐々に黒くなっていて最終的には漆黒となっている。階段を降りてTVの前に戻ると、吹く風は冷たくなり、画面の音声が「PLEIADES」に変わって音量はクレッシェンドとデクレッシェンドが1分間隔で繰り返されるようになっていた。足元にはキノコが生えている。秋の深まりを感じた。
以上が願教寺谷からカサバノ谷支流を下降し刈込池を訪れた際の筆者のイメージである。このルートは沢登りとしては面白くないかもしれない。しかしながら、ダイナミックな自然が短い区間に纏まっていて想像力を盛大にくすぐられるので、遡行者はげらげらと無抵抗に笑うしかない。こういう緩急のついた山が大好きだ。願教寺山南西壁は部分的に硬そうな所もあり、厳冬期に登ると2~3P程度の面白いクライミングが出来そうで今後が楽しみなエリアである。
<アプローチ>
最短距離、最安値を狙うならば国道359号から国道157号経由で鳩ヶ湯方面へ。下小池の駐車場から適当に本流へ下降して入渓した。入渓後、堰堤が連続して堪らないので一度林道へ上がったが、林道も荒廃していた。仕方ないので堰堤の乗り越しを繰り返した。下降は山頂から直ぐ東側のコルから沢を下降するのが早い。この沢はナメが美しい沢だが、少し際どいクライムダウンもある。懸垂は2回した。平らな場所に出ると水は伏流するが藪は少ない。沢筋を適当に歩けば刈込池の遊歩道に出合う。
<装備>
下降用にロープ。登りでは必要ない。
<快適登攀可能季節>
7月~10月。
<博物館など>
白山神社の大カツラ:打波の道路沿いにある白山神社にあるカツラ。なんでも樹齢1300年とのこと(本当かしら)。折り重なった枝が時の流れを感じさせ趣がある。
白山平泉寺:白山信仰の越前側の馬場である。鎌倉~室町時代にかけては一大宗教都市であったそうだ。美濃の長滝寺、加賀の白山比咩神社も含めて訪れたい場所である。杉の並木と苔が美しい。
勝山城博物館:勝山城と越前大仏は異様なデカさで周囲の景観に全くなじんでいない。どちらも相互タクシーの創業者である多田清氏が私財を投じて建てらたそうだ。甲冑などの武具や中国の刺繍が展示されているが、うーん。有り体に述べると外観負けした博物館である。
福井県立恐竜博物館:北陸随一のスケールを誇る自然系博物館である。生物栄枯盛衰のシンボルとして恐竜が前面に出されているが、地球の歴史全体を深く学べる。何度でも訪れたくなる施設だ。
白山恐竜パーク白峰:福井の恐竜館より鄙びていて風情がある。展示は普通。公園が併設されていて子供は楽しい。川の対岸に手取層の化石帯が露出しており観察可能。博物館のイベントで採集もしている。
<温泉>
鳩ヶ湯:2013年に以前のご主人が亡くなられ、以降、岐阜の会社が運営するようになった。最寄で日帰り入浴可能で600円也。普通の温泉である。
白峰温泉総湯:昔は安くて汚くて良い銭湯だった。綺麗になって値段も上がった。でも良い温泉。
<博物館など>
白山神社の大カツラ:打波の道路沿いにある白山神社にあるカツラ。なんでも樹齢1300年とのこと(本当かしら)。折り重なった枝が時の流れを感じさせ趣がある。
白山平泉寺:白山信仰の越前側の馬場である。鎌倉~室町時代にかけては一大宗教都市であったそうだ。美濃の長滝寺、加賀の白山比咩神社も含めて訪れたい場所である。杉の並木と苔が美しい。
勝山城博物館:勝山城と越前大仏は異様なデカさで周囲の景観に全くなじんでいない。どちらも相互タクシーの創業者である多田清氏が私財を投じて建てらたそうだ。甲冑などの武具や中国の刺繍が展示されているが、うーん。有り体に述べると外観負けした博物館である。
福井県立恐竜博物館:北陸随一のスケールを誇る自然系博物館である。生物栄枯盛衰のシンボルとして恐竜が前面に出されているが、地球の歴史全体を深く学べる。何度でも訪れたくなる施設だ。
白山恐竜パーク白峰:福井の恐竜館より鄙びていて風情がある。展示は普通。公園が併設されていて子供は楽しい。川の対岸に手取層の化石帯が露出しており観察可能。博物館のイベントで採集もしている。
<温泉>
鳩ヶ湯:2013年に以前のご主人が亡くなられ、以降、岐阜の会社が運営するようになった。最寄で日帰り入浴可能で600円也。普通の温泉である。
白峰温泉総湯:昔は安くて汚くて良い銭湯だった。綺麗になって値段も上がった。でも良い温泉。
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