2017年9月18日月曜日

庄川 横谷















横谷はとんでもなく面白い谷である。と、書いても「感動の閾値が低いダボハゼ沢屋がまたほざいとるわ」と罵倒されるだけなので可能な限り相対的な表現を心がける事とする。難易度としては大畠谷の技術核心の部分が3、4箇所出てくるといった感じ。ロープを出さないシャワークライミングも緊張する場面は多い。基本日帰りで身軽なのでムーブを楽しめるはずだ。ルートファインディングを含む巻きの悪さは尾安谷などの黒部川支流に比肩する。V字状のゴルジュが緩み無く延々と続いた後に現れる大スラブには感嘆の声が上がるだろう。最後が強大な人工物であったとしても全然問題にならない名渓である。

こんなに素晴らしい谷なのになぜ登られる事が少ないのか。考察するに「横谷」という何処にでも有りそうな名前のためではないか。そもそも、「横」という表現は中心となる別存在を示唆しており従属的である。横谷には主体的な名称は無いといえる。ネーミング手法としては、「ゴミムシダマシ」や「後立山」と類するが、相違点は何の横かは明言されないため、茫洋とした印象を与えている点である。何と哀しい運命だろうか。筆者は憐れな横谷を応援すべく横谷の横へ寄り添う事を決意した。なので、誠に勝手ではあるが横谷は筆者の「横」谷とすることにした。といっても急に白川郷へ引っ越す事も出来ないので精神的にである。ところで、俺の横は誰やねん。と、横を見たらオーストラリア土産のカモノハシのパペットと全国高総文祭とやま2012のキャラクターである「らいとくん」の縫いぐるみが居る。俺とカモノハシパペットとらいとくん。三人寄れば文殊の知恵、まさしく三本の矢である。これで応援すれば横谷の人気沸騰は間違いない。今日もパペットを嵌めてレッツ、チアーアップ!

<アプローチ>
国道156号は九十九折で時間が掛かる。値は張るが白川郷ICまで高速利用か、国道359号で城端へ行き五箇山トンネル経由がお勧め。ホワイトロードのゲート手前に駐車し林道へ入り入渓する。ホワイトロードは歩行禁止なので三方岩山を経て登山道を利用して下山しよう。入渓は開通時間前の早い時間に済ませないといけない。

<装備>
カム一式、ピトン各種。良く磨かれた岩だが、コケている部分も多いのでフェルトが良いと思う。側壁の岩質は逆層スラブである。バンドやテラスだと思ってもスラブの場合もあるので要注意だ。水量が多いと突破が難しい滝もある。

<快適登攀可能季節>
8月~10月中旬。シャワークライミングが多いので暑いときの方が良いかもしれない。

<温泉>
くろば温泉:国道沿いに有るのでわかり易い。600円也
五箇山荘:高速のインターを少し過ぎたところにある綺麗な温泉。500円也

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