2019年6月24日月曜日

黒菱山 荒戸谷








黒菱山のような里山が沢山あればどんなに素晴らしいだろうか。東西南北どこから登っても面白く、山頂からの展望も素晴らしい。登山道は整備されていて雰囲気も良い。1050mほどの手ごろな標高も相まって多くの登山者に親しまれる山である。

荒戸谷も初めての沢登りにうってつけではないか。水量豊富な下部は岩は硬く滝の登攀も面白い。ロープを使って安全を確保しやすいのも良い点だ。山頂へ詰めあがる沢を進路に取ると少し単調な渓相が続く。快調に進むと岩の様子が変わり、多少脆くなるが登るのには問題は無い。山頂へピッタリと出るには慎重な読図が必要だ。一つ一つの支流を丹念に追っていくのが醍醐味である。うまく山頂へ出れれば藪漕ぎは15分程度で済むだろう。山頂からの景色は言わずもがな。慣れていれば遡行は早く終わるので、山頂でお昼にするのがいい。ハイカーと楽しくお話しながら豪華なランチをするのもまた楽しかろう。

<アプローチ>
発電所のスペースに駐車して林道を歩いて入渓する。なお、この林道ゲートは施錠されていないので車で進む事は可能ではある。車を2台使用するのであれば、笹川の下山口へ車を回しておけば帰りは早い。多少の藪漕ぎと沢の下降を厭わなければ荒戸谷を下降して戻ればよい。

<装備>
ピトン少々

<快適登攀可能季節>
6月~11月。

<温泉>
宝温泉、地中海、境鉱泉など越中宮崎周辺は塩泉が多い。

<グルメ>
たら汁が名物だが、はっきり言ってそれほどでもない。量を食いたいのであれば「きんかい」で定食のご飯大盛りを注文しよう。日本昔話級のてんこ盛りが食える。ドライブイン入善の定食も味、量ともになかなか。

<博物館など>
護国寺:別名石楠花寺。とやま花名所に選ばれるだけある庭園。シャクナゲとツツジの時期が素晴らしい。謎の置物も気になる。

朝日町歴史公園:縄文時代の不動堂遺跡が再現されている他、江戸時代町屋であった旧川上家の家屋が当時の状態を保ったまま移設されている。ここでは朝日町名産のバタバタ茶を自分で点てて試飲できる。12月~3月は閉館するので注意。

朝日町立 ふるさと美術館:昨今の大正アートブームで再注目の竹下夢二の作品を所蔵している。江戸~大正期、朝日町の泊は宿場町で大いに栄えており、その盛り場に夢二が訪れていたようだ。妻たまきとの破局事件の舞台は宮崎海岸だ。この情事の続きは朝日町の図書館で。

百河豚美術館:野々村仁清の作品を数多く展示している。デフォルメされた鶏が描かれコップもあり、仁清のモダンな感性を感じる事ができる。他にも話題の伊藤若冲や、尾形光琳に酒井抱一といった琳派ビックネームの作品も展示。

下山芸術の森発電所美術館:きらりと光る興味深い展示をやっている。こちらも12月~3月の冬季は休館するので注意。

杉沢の沢杉:地口か回文のような名称だが素晴らしい場所。田園と防風林の中にポツリ広がる湿地杉林で、まるでもののけ姫の森のようである。近年、入善乙女キクザクラという桜の新種がここで発見されている。この原木は未だ杉沢の沢杉でしか発見されていない。北陸は菊咲きの桜の品種が多いらしい。

2019年6月23日日曜日

大長谷川 足谷








大長谷川の足谷は落ち着きの無い谷である。土砂が多い谷で水深が浅いため瀬音が大きい。一定の傾斜が続く谷で小さな段差には釜が無いため、一層水音が響いている。平らな場所が少ない事も相まって、落ち着いて休まる場所がないのである。下部は森の雰囲気もよく散発的に小滝が現われるので楽しめる。ここは快適で難しくも危なくもない。中盤以降は単調な歩きとなり、1050mからは一直線のガレ登りになる。内容は地味でスケールが小さいため篤志家向けの沢といえよう。

<アプローチ>
足谷出会いに有る水車のような謎の施設横の空きスペースに駐車させて貰う。同ルート下降、或いは1431mピークから左俣を下降する。

<装備>
登攀具は特にいらない

<快適登攀可能季節>
6月~11月。

<温泉>
大長谷温泉:小さいけどアットホームな良いお風呂。露天風呂はいつもぬるい。

<博物館など>
白木峰:隆起準平原の美しい山頂。最寄の駐車場から30分ほどで山頂とお手軽である。小屋は無人で開放されているので利用可能。6月下旬~7月下旬はニッコウキスゲが素晴らしい。



高熊カキ貝化石床:仁歩川と野積川の合流点にカキ貝の化石と珪化木を観察することが出来る。この地はその昔温暖な海だったのだ。マングローブ林が広がっていたらしい。

<グルメ>
県道7号線沿いのグリル高野のカツ丼はボリュームも味も文句なし。7号線から少し離れるが田村農園のきみソフトクリームは300円ながら絶品。一度ご賞味あれ。

2019年6月15日土曜日

笹川 七重谷川











なぜ7という数字はこんなにも人を惹きつけるのであろうか。ラッキー7とか、七福神とかは縁起の良い数字として扱われてきた証左だし、政治の世界の頂は主要七か国会議(最近は20カ国だったりするけど)だし、西洋の音楽もドレミファソラシの7音階を基調としている。そんなこんなで、人間の生活は無意識のうちに7に侵食されているのだ。筆者もその例外ではなく、7の付く場所は登りたくなってしまう。

笹川の一支流である七重谷川には七重滝(しっちゃたき)と呼ばれる連瀑が水を落とす。この滝は岩稲累層と太美山層群の断層に懸かり、流紋岩を美しく撫愛するように流れている。均整のとれたその姿から文人墨客の訪れは少なくなく、古くから親しまれてきた。その昔、朝日町は親不知手前の宿場町で栄えていたため、旅人はここに逗留することも多かったと聞く。画家竹下夢二もこの滝を眺めたのだろうか。「七」の由来は諸説あるようで、1)7段の連瀑によるもの2)笹川村を開拓した竹内氏、長井氏、小林氏、堀内氏、深松氏、折谷氏、宇津氏の七家によるもの3)ドレミファソラシによるもの等、自由に説が展開されていて言いたい放題な感がある。個人的には平安時代からこの地を守ったといわれる七家説を支援したいところである。

しかし、この滝を登ったという話は聞かない。上流部は堰堤が連続するため、わざわざ登らないのであろう。この遡行是非問題は、彼の地を開拓した七家へのリスペクトを込めたトリビュートクライムとして動機付けしておけば解決できるだろう。1段目からスラブ状を呈していて登攀向きの滝でない事がわかる。水際から登り右岸の藪に移り、手の付けられないスラブ滝をかわす。しかし各滝の滝つぼは美しいので、降りて見物するのがお勧めである。七重滝を過ぎても流紋岩のゴルジュ地形が楽しめる。しかし岩のフリクションに乏しいので注意が必要だ。沢登りらしい楽しみは巨大堰堤が現れて唐突に終了する。そこから左岸の尾根へ上がると気持ちのよい登山道が拓かれている。沢登りを目的として七重谷川を遡行するのではなく、南保富士へ登りに行く一過程として七重谷川を組み入れれば実に楽しい山登りとなるはずだ。

<アプローチ>
雁蔵集落から七重谷川の橋のたもとに駐車する。すこし林道を歩いてカーブのところから入渓。七重滝を登ってかららのゴルジュを抜けて堰堤が現れたら右手の斜面を登ると遊歩道に上がれる。これを下降すれば容易に戻れる。逆に登れば490mの猪山を経て南保富士へ登る事が出来る。

<装備>
七重滝の登攀でピトン各種と1番以下のカム。水量の少ない乾いたタイミングであればスラブでフラットソールが有効だろう。

<快適登攀可能季節>
5月~11月。

<温泉>
宝温泉、地中海、境鉱泉など越中宮崎周辺は塩泉が多い。

<グルメ>
たら汁が名物だが、はっきり言ってそれほどでもない。量を食いたいのであれば「きんかい」で定食のご飯大盛りを注文しよう。日本昔話級のてんこ盛りが食える。ドライブイン入善の定食も味、量ともになかなか。

<博物館など>
護国寺:別名石楠花寺。とやま花名所に選ばれるだけある庭園。シャクナゲとツツジの時期が素晴らしい。謎の置物も気になる。

朝日町歴史公園:縄文時代の不動堂遺跡が再現されている他、江戸時代町屋であった旧川上家の家屋が当時の状態を保ったまま移設されている。ここでは朝日町名産のバタバタ茶を自分で点てて試飲できる。12月~3月は閉館するので注意。

朝日町立 ふるさと美術館:昨今の大正アートブームで再注目の竹下夢二の作品を所蔵している。江戸~大正期、朝日町の泊は宿場町で大いに栄えており、その盛り場に夢二が訪れていたようだ。妻たまきとの破局事件の舞台は宮崎海岸だ。この情事の続きは朝日町の図書館で。

百河豚美術館:野々村仁清の作品を数多く展示している。デフォルメされた鶏が描かれコップもあり、仁清のモダンな感性を感じる事ができる。他にも話題の伊藤若冲や、尾形光琳に酒井抱一といった琳派ビックネームの作品も展示。

下山芸術の森発電所美術館:きらりと光る興味深い展示をやっている。こちらも12月~3月の冬季は休館するので注意。

杉沢の沢杉:地口か回文のような名称だが素晴らしい場所。田園と防風林の中にポツリ広がる湿地杉林で、まるでもののけ姫の森のようである。近年、入善乙女キクザクラという桜の新種がここで発見されている。この原木は未だ杉沢の沢杉でしか発見されていない。北陸は菊咲きの桜の品種が多いらしい。

庄川 小瀬谷左俣









五箇山~白川郷の沢で快適で面白いところはだれでも直ぐに解る。堰堤が作られていないところだ。筆者はこの地域の岩を流紋岩、花崗岩、礫岩主体の堆積岩の3つに大別している。している、というのは学術・文献調査をしたわけではなく沢登りがてらに観察しているからであり、根拠に乏しい経験論である事をご了承願いたい。最も沢登りが楽しめるのが流紋岩が卓越する地域だ。美ヶ谷、大芦倉谷、境川流域などハズレがない。厳密には美ヶ谷と境川流域では岩質が異なりそうだが似たグループとしている。次いで花崗岩地域でこちらは当たり外れがある。小芦倉谷がそうだが、土砂の流出が多くなるので釿谷など水量が無い沢は全く楽しめない。庄川を御母衣まで南下すると、花崗岩系で面白い沢も増えてくる。そして、最も沢登りに適さないのが堆積岩地域である。この地域の堆積岩は脆いのであろう、その場所には必ず堰堤が幾つも建設されている。それゆえ、遡行対象にされることすら憚られる。先の堰堤があるなしで遡行の快適さが推し量られるという所以もここにあると推察する。土砂の流出の少ない谷は土石流の発生が少なく、堰堤を建設する理由が無いのであろう。そのような谷では沢登りが面白いのである。

長い枕になったが、本題の小瀬谷である。小瀬谷で興味深いのは右俣には堰堤が多いが左俣には出合の1基しか無い点である。先の堰堤と岩質の関係から、この谷左右で堆積岩と流紋岩が分岐している可能性があるのでは無いかと疑っていたのである。堰堤を越えると谷狭くなり良い雰囲気になる。流紋岩のつるりとしたゴルジュだが、雪崩による土砂で埋まりがちで突破は容易である。特に困難も無く猿ヶ山山頂直下へ抜ける沢と北側コルへ抜ける谷の分岐へ出る。山頂直下へ抜ける谷は水量は少ないものの急峻で面白い。この谷の核心はこの出合いから標高1000mまでだ。最も大きな滝は10m前後の滝で2つある。この二つの滝は左右で岩の硬さが違うのが面白い。以降は難しい箇所も藪漕ぎも少なく登山道へ抜ける。右俣を下降するにはいまひとつの天候だったので、登山道で下山した。岩の調査はまたの機会としよう。

遡行したのは谷筋には雪渓が残る芒種の小雨の日であった。この谷の適期とは言いがたい時期と天気である。楽しめるのか不安だったので一人で訪れたのだが杞憂であった。雪解けの谷に咲くニリンソウとサンカヨウの群落は麗しい。その近くにはウドが芽を出し、稜線ではコシアブラもとれた。霧に包まれたブナの森は森閑として幽玄な空間だった。熊にも猪にも羚羊にも会った。最高の休日だ。歩けば好き日は真理なり。いつでも頭炭酸ポップにタップを鳴らして山へ向おう。

<アプローチ>
富山市内から国道156号線側から行こうとすると、九十九折の道で嫌になる。国道304号線側のほうが行きやすいように思う。世界遺産の菅沼集落へ入る道を利用して橋を渡る。林道の入り口にはゲートがあるが鍵が掛かっていない。小瀬谷右俣付近の林道急カーブ地点に駐車して入渓する。下山は猿ヶ山~三方山へ通じる登山道を利用するが、近年は整備されていないのか自然に帰りつつあった。踏み跡はしっかりあるので気をつければ外す事はないだろうが慎重に歩きたい。なお、大獅子山へ向うブナオ峠も同じ状況のようだ。秋に向けて整備されるのかもしれない。地形図で1088mの印がある尾根に合流すると地図には記載のない送電線巡視路が利用できる。これは仕事道なので非常によく整備されている。巡視路終点から、これまた地図にない林道を歩くと池の平へと続く林道に合流する。あとは車へ戻るだけ。

<装備>
10mくらいの滝2つを登るのであればロープとピトン、カムなど。因みに一つはやや脆そう登れそうだが、もう一つは辛そうだった。

<快適登攀可能季節>
6月~11月新緑と紅葉の時期が素晴らしい。早い時期だと残雪が残っているはず。ゴルジュ内に残っていた場合、処理に難儀するだろう。悪天の中で雪渓のある谷を登るのは大変危険なので注意。

<博物館など>
縄ヶ池:五月連休あたりに水芭蕉が満開になる。駐車場から砺波平野の散居村を一望できるのも魅力。5月ならば田植えの時期、水田の水面に反射する夕日を眺めたい。10月ならば実りの時期、赤く染まった揺れる稲穂を堪能したい。

福光美術館:福光は棟方志功が6年ほど疎開していた土地である。そのため作品が多くの作品が残されている。企画展も渋く見逃せない。別館の愛染苑も訪れたい場所である。厠にまで絵を描く棟方志功の自由な人柄が感じられる家だ。

南砺バットミュージアム:日本プロ野球の往年の名選手のバットが触れる。メジャーリーガーのバットもある。タイカッブとベーブルースが使用したバットを触って大興奮!親父さんも気さくで良い時間を過せる。

井波彫刻総合会館:井波彫刻は県外にそれほど認知されていないように思う。豪快かつ繊細な技術に感動する。瑞泉寺も行っておこう。

2019年6月9日日曜日

大長谷川 大谷左俣










山を多方面から執拗に登るのは楽しい。ある山について東西南北の谷それぞれを詰めたり、小さな支流を探索したり、季節を変えて訪れてみたり。その山のありようについて徐々に理解が深まってくる感じが嬉しいのである。では、どんな山を対象とするかだが、あんまりにも大きな山だと全貌を掴めるのか自信が持てなくて索漠とした気分になる。一方、2000m以下のほどよいサイズの山なら、もしかしたらこの山の全てを知る事が出来るのではないか?といったポジティブな誤謬に陥る。沢登りで地域研究の対象となる山は大体そんな山塊だ。クラスで1番可愛い子より3~4番目に可愛い子の方が人気が有ったりする、あれに似ている。白木峰は筆者にとってそんな対象だ。と言ったら女の子と白木峰の逆鱗に触れるので言わない。

さて、大谷である。国道の出合から取水堰堤まではただの川原に堰堤が続くのでカットしても良いと思う。取水堰堤から少しさきからゴルジュ連瀑が始まる。下の方は弱点があるので登り易い。上部の滝も水量が少ない時期を狙いギアをしっかりと準備すれば登れそうである。以降は散発的に現われる小滝を快適に登り白木峰へ。日帰りで白木峰へ登るバリエーションルートとして価値が高い沢である。

<アプローチ>
国道が開通している場合は谷の出合近くに小さな駐車スペースが有るのでそこに停める。未開通の場合はゲート前に留めて歩く。取水堰堤から登る場合は白木峰登山口へ向う林道を利用する。下降は登山道を利用するのが良い。

<装備>
連瀑を登るのであればカム、ピトン。巻くのであればスリングのみでOK。

<快適登攀可能季節>
6月中旬~10月。

<温泉>
大長谷温泉:小さいけどアットホームな良いお風呂。露天風呂はいつもぬるい。

<博物館など>
白木峰:隆起準平原の美しい山頂。最寄の駐車場から30分ほどで山頂とお手軽である。小屋は無人で開放されているので利用可能。6月下旬~7月下旬はニッコウキスゲが素晴らしい。



高熊カキ貝化石床:仁歩川と野積川の合流点にカキ貝の化石と珪化木を観察することが出来る。この地はその昔温暖な海だったのだ。マングローブ林が広がっていたらしい。

<グルメ>
県道7号線沿いのグリル高野のカツ丼はボリュームも味も文句なし。7号線から少し離れるが田村農園のきみソフトクリームは300円ながら絶品。一度ご賞味あれ。

2019年6月5日水曜日

大長谷川 喜右衛門谷








国土地理院発行の地図に記載されている地名は実のところ少ない。地図上で名前が記載されていない谷は幾つもある。だが集落が近くに有る場合、調べれば必ず名称は存在する。それは山が生活の場であり、資源そのものだったため命名し区分を明確に把握する必要があったためだろう。大長谷は飛越国境争いが長く続いた場所である。飛越を結ぶ二ツ屋街道が拓かれ交通の要衝となり、炭焼きや鉱山開発が行われていた。木材の運搬には谷の水を堰き止め流したそうだ。つまり谷は生活上めっちゃ重要だったのである。

そんなこんなで、国土地理院の地図に名称記載がない喜右衛門谷である。大長谷川の標高700m付近から小白木峰へ詰め上げ、出合から直ぐに堰堤記号が2つある谷だ。おそらく「喜右衛門」という人物がかつて存在し、名を拝借したのであろう。「喜」という文字が入っていて縁起が良い印象のする谷である。遡行の内容は概ね淡々としているが、所々で喜びが注入される。標高1100m二俣までは岩は硬くて快適かつ苔と森が美しい。それ以降はやや土砂が多くなるが、快適に標高を上げることができる。詰めで弱点を突いていけば一切藪漕ぎ無しで登山道へ抜けることができる。富山からは意外と登られない小白木峰へ合理的に登る事が可能な沢だ。訪れたのは初夏、ススタケの収穫が何よりの喜びなのであった。

<アプローチ>
国道が開通している場合は谷の出合近くに小さな駐車スペースが有るのでそこに停める。未開通の場合はゲート前に留めて歩く。遡行はあっという間に終わるだろう。下降は登山道でも良いし、近くの谷を下降しても面白いだろう。

<装備>
登るだけならば何もいらない。

<快適登攀可能季節>
6月~10月。谷が浅いので残雪は少ない。

<温泉>
大長谷温泉:小さいけどアットホームな良いお風呂。露天風呂はいつもぬるい。

<博物館など>
白木峰:隆起準平原の美しい山頂。最寄の駐車場から30分ほどで山頂とお手軽である。小屋は無人で開放されているので利用可能。6月下旬~7月下旬はニッコウキスゲが素晴らしい。



高熊カキ貝化石床:仁歩川と野積川の合流点にカキ貝の化石と珪化木を観察することが出来る。この地はその昔温暖な海だったのだ。マングローブ林が広がっていたらしい。

<グルメ>
県道7号線沿いのグリル高野のカツ丼はボリュームも味も文句なし。7号線から少し離れるが田村農園のきみソフトクリームは300円ながら絶品。一度ご賞味あれ。

2019年6月3日月曜日

医王山 浅野川 大杉谷







大杉谷は折谷町の少し南で浅野川に合流するごく小さな支流である。本流である浅野川も十分に小河川なのに、その支流大杉谷となれば小川といっても過言ではない。あまりに小さいので遡行開始前に概念を間違えたか?と何度も確認したほどである。しかしその心配も杞憂であった。他の医王山西面の沢と同じくコンパクトに纏まった良渓である。

出合いから2~3の堰堤をこえて少し歩くとゴルジュ状を呈し始め4~5mの滝が4つほど続き快適に楽しめる。中盤は時おり現われるナメ以外、川原歩きで沢登りの見所は乏しいが上流部では流紋岩優位となり硬いスラブ滝が幾つも続き楽しい。この上流部は沢慣れしていない人が居る場合、お助け紐が役立つだろう。藪漕ぎはないまま容易に登山道へ上がれる。登山道を利用して降りれば午前中で下山することも可能だろう。ちょっと時間の空いたときも楽しく遊べる。沢中は桑の木が多く自生していたので、次は旬の時期に採集しにいこうかな。

<アプローチ>
入渓点の林道は狭く駐車すると迷惑になりそう。県道の脇に駐車するのが良い気がする。奥医王山からは小原道を下山して少し車道を歩けば容易に駐車場へ戻れる。我々は菱池谷を下降して車道を歩いて戻った。市内からだと、医王ダム経由が最短で大体1時間と少々で入渓点に着く。

<装備>
念のためロープとスリング。沢慣れした人は特にいらない。

<快適登攀可能季節>
5月下旬~11月。

<温泉>
ぬく森の郷:施設も綺麗で眺めがよい露天風呂がある温泉。交通量が少ない山間にある施設でアウトドア派には最高の立地だが、採算が取れているのか謎である。最寄で最適な温泉。
湯楽:温泉でありながら大衆浴場で入浴料は400円以下と格安。
銭がめ:入ったこと無いが、古民家風の温泉。きっとお風呂も雰囲気が良いのだろう。食事も可能のようだ。

<博物館など>
縄ヶ池:五月連休あたりに水芭蕉が満開になる。駐車場から砺波平野の散居村を一望できるのも魅力。5月ならば田植えの時期、水田の水面に反射する夕日を眺めたい。10月ならば実りの時期、赤く染まった揺れる稲穂を堪能したい。

福光美術館:福光は棟方志功が6年ほど疎開していた土地である。そのため作品が多くの作品が残されている。企画展も渋く見逃せない。別館の愛染苑も訪れたい場所である。厠にまで絵を描く棟方志功の自由な人柄が感じられる家だ。

南砺バットミュージアム:日本プロ野球の往年の名選手のバットが触れる。メジャーリーガーのバットもある。タイカッブとベーブルースが使用したバットを触って大興奮!

井波彫刻総合会館:井波彫刻は県外にそれほど認知されていないように思う。豪快かつ繊細な技術に感動する。瑞泉寺も是非訪れたい。