2020年8月18日火曜日

中谷川 浅海川


















 おそらく浅海川は中谷川で最も遡行価値の高い沢である。横沢からの序盤は黒ぬらぬら系の頸城感丸出しゴルジュが展開する。深い釜を持った美瀑が続くが、いかんせん取り付く島が無い滝が多い。それでも巻きはどこからでも比較的容易なので、登れるものはできるだけ登った方が充実するだろう。ゴルジュを一旦抜けて広大な南面ゴーロ帯となるが、要所要所で登らないと行けない滝が出てくる。ここは巻きが容易ではないうえ、登りもしっかり要求されるため技術的核心部となるだろう。上部ゴルジュの始まりは門のようになった7m滝なので分かり易い。ここから享楽的異形景観ゴルジュが展開する。例えるならば、海川不動川と大畠谷のゴルジュを足して二で割ったようなゴルジュ。どれも突破は難しくはないが慣れていなかったり、水が多かったりすると苦労するだろう。上部ゴルジュを抜けると、ナメを基調とした癒し系となる。要所に小滝を配置されており演出には余念がない。何と言っても頸城の桃源郷と言われる天狗原と金山のコルに突き上げるの最後がいい。盛夏のお花畑や秋の草紅葉は遡行者に最高の安らぎを与えてくれることは間違いない。

様々な要素が一度に味わえる頸城一級品の谷である。富山からのアプローチも比較的良いので是非訪れてもらいたい。

<アプローチ>
糸魚川方面から継続で訪れたので、小谷側からのアプローチは不明。多分小谷温泉のキャンプ場に駐車して登るのだと思う。幕営は1750m以降がお勧め。

<装備>
ピトン類とカム少々。巻いた後の下降で懸垂が必要になることはなかったと記憶する。足回りはフェルト推奨

<快適登攀可能季節>
8月~10月。南向きの箇所は雪渓が残りづらいだろうが、上部ゴルジュ帯には例年8月では残るであろう。

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