山登りやクライミングを始めると世界を見る目が変わる。どこかに岩はないか、登れそうな岩なのか、滝はあるのか等今までただの景色であった物達が忽ちマイワールドと相関し始める。そんなことだからまともな車の運転は覚束ない。急峻な地形があれば周辺確認に忙しくてハンドル操作どころではないのだ。
ご存知の通り国道156号線は五箇山までつづら折りの国道でやっかいだ。それゆえ国道304号線五箇山トンネルの開通により交通量は減少しているように思う。そんな国道の偵察中に気になっていたのが駈足谷である。国道横からすぐに小滝が連続するのが視認できる上、上部には大滝の存在を臭わせる地形表現がなされている。これまで祖山以南の土砂がちな谷の印象が強かったので、「釣り球」という判断で見送っていた。しかし、杉尾峠~栃原区間沢登り楽しい説が自身に急浮上したので思い切って振りぬいてみた。結果、右中間を抜ける2ベースヒット。よい沢であった。
入渓と共に見た目通り軽快な小滝が連続する。2本目の林道までの岩はむちゃんこ硬くて非常に快適である。部分的に難しい滝があるのでロープを出したが、カムとピトンが良く効くので楽しい。予想通りの場所に20mクラスの滝があったが、これは勝負せず巻くこととした。ここの巻きは悪くない。1本目の林道を越えても楽しい小滝はまだ続く。水量が少ないので思い切って水流を登れるのも充実感がある。2本目の林道から先は水量が一気に減りエンタメ性が乏しい。途中まで登ったが雨に濡れそぼる中の長時間下山を憂いて戻り途中下山した。
文字通り駈足で、とはいかないところが面白い。早立ちすれば丁度半日で帰ってこれるくらいの谷だが十分に楽しめるとお知らせいたします。なので、これを見た方は156号線を運転の際にはよそ見せず安全運転をお願いします。国道沿いには下山中の沢屋が歩いておりますので!
<アプローチ>
大牧温泉:舟で対岸に向うという、火曜サスペンス劇場的なロケーション。もちろん行った事は無いが一度行ってみたい。
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