2021年9月12日日曜日

鉾ヶ岳 湯沢川 金冠谷

 























湯沢川には権現谷と金冠谷そしてその間に挟まれる屈曲した無名沢、この3つの稜線水源がある。登山大系に名称の示されているのは権現谷と金冠谷だけで屈曲した沢の名称は示されていない。ここでは屈曲した谷を仮に金冠左俣と呼称することとする。

湯沢川の最終堰堤からすぐに20m滝だがこれは右壁をそこそこ快適にフリークライミングで登れる。クラックにカムを効かせて思い切って登りたい。権現沢を分けると小滝を2つ登ると広いゴーロゴルジュとなる。そのドン突きに30mの立派な滝が現れる。この水線を責めるのは困難なので、右の水の流れる小さな支流を登り、左へとトラバースして巻き懸垂すれば谷へと復帰できる。

30m滝を巻き終えると谷は一旦広がりやがて二又となる。筆者らは最初に金冠谷左俣へと入った。すぐにCS滝が現れる。我々はクラックシャワーで突破を試みたが、クラック上部の岩場脆くカムが岩を破壊するように感じたので途中で諦めて巻いた。巻きは非常に簡単なので、懸垂一発で谷に戻れる。ゴルジュ中の小さな小滝をこなすと再び広大なゴーロゴルジュ。やがて谷が右に屈曲する地点に滝右壁が大崩壊した6m滝が現れる。この6m滝は支点が取れる見込みがなく、安全に登ることはできない雰囲気。しかも周辺は全く手の出ない強傾斜草付きとスラブ壁で巻くことも許されない。この滝を突破する弱点を見いだせなかったので、左俣を諦めて下降し、右俣(金冠谷)を遡行することとした。右俣は左俣とは打って変わって明るい渓相で爽やか渓。階段状でぐいぐい標高を稼いでいく。途中でゴルジュ状に大きなチョックストンがある連瀑が楽しい。稜線抜け口はちょっとした泥崩壊地だが問題ない。鉾ヶ岳山頂から権現岳の登山口までの下山は道が悪く時間がかかる。油断すると滑落する地形でロープが連続するのでちょっと余裕が欲しいところだ。

金冠谷左俣の崩壊滝の上はどうなっているのだろうか。崩壊6m滝を登るリスクはちと受容しがたいので下降して調べようかしら。

<アプローチ>
下山を考慮して権現岳登山口に駐車しておくとよい。最初は谷の左岸に駆り払いがあるのでそちらを利用する確か堰堤を二つ越えると右岸側に堰堤敷設用の林道があるのでこちらを終点利用する。終点から最初の滝まではすぐである。幕営適地は権現沢出合いくらいなので日帰りで臨むのがよい。

<装備>
カム#0.2~2まで一式。ピトン各種。滝の登攀にクライミングシューズは要らないと思うが有ったら使えるかも。

<快適登攀可能季節>
9月~11月。夏は残雪が多く残るので不向き。

<温泉>
柵口温泉権現荘:とてもきれいな露天風呂付きの風呂。600円也

<博物館など>
フォッサマグナミュージアム:地学系の博物館で興味深い展示に見入ってしまう。ここでは石の鑑定も行っているので、山で見つけた気になる石を鑑定してもらおう!(一人10個までです)

翡翠園:散策可能な日本庭園。よく考えられていて、どこから見ても趣が有る。島根県足立美術館の作庭が有名な中根金作による庭園である。構成から考察するに、彼はあの巨大なヒスイ原石を嫌悪していたのではないかと邪推してしまう。

玉翠園:同じく中根金作による庭園。こちらは観覧庭園でガラス越しにしか眺めることは出来ない。柔らかな丘による高低が印象的。至近の谷村美術館も個性的なので訪れる価値あり。

糸魚川市民図書館:糸魚川市、能生町の郷土史は重厚な作りで読み応えが有る。青海町の郷土史は発刊は古いがシニカルな語り口が面白い。ジオパーク関連資料も豊富で嬉しい。なお、能生町、青海町にも分館があるのでそちらでも資料は閲覧可能である。

0 件のコメント:

コメントを投稿