2022年2月14日月曜日

三方崩山 弓ヶ洞谷第一岩稜

 










 雪稜の継続登攀を気軽にできる山域は貴重である。同じ谷に複数の雪稜が展開することはあっても、丁度いい距離にある異なる谷に丁度いい雪稜があることは少ない。また、有ったとしても後立山のように高差が大きすぎて継続するのが億劫になる。
 三方崩山はその貴重な山の一つだ。南の大ノマ谷、北の弓ヶ洞谷へと流れるように継続できる。弓ヶ洞谷第一岩稜は終始同じような難易度が続く中だるみしない良きルート。登る速さはスコップワークが鍵となるはず。岩峰のように顕著なピークが威圧的だが、筆者らが登った時はしっかりと安定した雪が付いており登り易い状態であったと思う。北東面に位置するため、若干大ノマ谷よりも雪の付着が多い気がした。大ノマ谷と同じく大きなギャップと断壁が現れることが無いので割合気軽に取り付ける。元々ギャップがある地形ではないが、雪の付着によって段差が発達しているのかもしれない。最上部はルンゼとの高差が無くなってやや緊張感が薄れるがご愛敬。山スキーをやる人であれば滑りと併せて楽しんではいかがだろうか。
 
<アプローチ>
弓ヶ洞谷は三方崩山の北尾根ぼ東面にあるスキーヤーには割と滑られている谷である。雪稜は恐らく名古屋ACCによって初めて登られたものと想像するが詳細不明。尾根の南側から第一、第二、第三岩稜と命名されている。何となくそうなんじゃないか概念は以下の通り。


アクセスとしては雪がしまり切っていない2月ならば道の駅飛騨白山に駐車して平瀬尾根を登り下降するのが安全で合理的な気がする。雪が締まっているならば谷を詰めればいい。尾根から下降する場合、雪庇の張り出しが少ない箇所を選んで下降することになるが恐らく第一岩稜と北尾根の接続部が最も降り易い。3月に入ると林道を歩いて弓ヶ洞谷を詰めるのが楽だろう。尾根上には幾つも幕営可能点があるので何時に取り付いても問題ない。下降は平瀬尾根を降りるより弓ヶ洞谷をそのまま降りて国道を歩く方が最終的に早いかもしれない。

<装備>
スコップを振り回す時間が圧倒的に長いので、携行しやすい工夫が必要。もちろん要バックアップ。雪特有の支点構築品は特にいらない。藪は出ていないが安定した平地が多いので座っての腰がらみ、肩がらみで十分確保可能。

<快適登攀可能季節>
2月~3月。積雪がたっぷりある時期に登りたい。

<温泉>
くろば温泉:国道沿いに有るのでわかり易い。600円也
五箇山荘:高速のインターを少し過ぎたところにある綺麗な温泉。500円也

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