初等教育の著しい怠慢のためかカタカナの読み書きが怪しい。カタカナの文書は全然頭に入らず憶えられないし、書く方ではヲやリなんかパッと浮かばず困ることがある。それでも働いてオマンマ食っていけるので日常的に問題は無いのだが、北海道の山を登るのは大変困る。如何せんアイヌ語を直接カタカナ表記した場所が多すぎる。
ポンクワウンナイ川、と偉そうにタイプしているが沢の名前が中々発音で覚えられずgoogleの「★★の検索結果を含めて表示」機能からコピペしたことをまず告白する。この沢に思い入れがあったわけではなく、日高の天気が悪かったので前日に行先を決めたことも有り未だに発音記憶できない。
ところがどっこい沢の内容は素晴らしい。クワウンナイ川と流れを分けてからの川原の側壁は凝灰岩や柱状節理が発達していて楽しい川原歩き。標高798m地点からゴルジュに大滝、小滝とアトラクションが展開してくる。ゴルジュでは人工登攀を強いられるが残置を利用すれば難しくはない。使わなくてもネイリングで対応可能である。以後の登りそのものは難しくないが、2つの20m~30m程度の大滝巻きで嗅覚が冴えないと思わぬ時間ロスを食う可能性があると感じた。北陸の山で培ったルーファイであれば全く問題ないはず。1300mくらいから赤い岩盤の苔ナメが長ーく続く。白山は石徹白川初河谷に似た渓相があるがその長大スケールバージョンである。詰めも不快さは一切なくお花畑に癒され背後の雄大な景色を楽しめる。小化雲岳の稜線に出て景色が望めれば絶景である。筆者らは直ぐに雨が降ってきてトムラウシまで行けなかったが、さぞ素晴らしいのだろう。カウン沢を下降してクワウンナイ川本流へと継続、そしてトムラウシ川方面へ下降して地獄谷温泉入湯。更にパンケトムラウシを登って下山など大雪山山系だけでも相当楽しめそうである。
このままでは北海道の沢を登っても覚えられず、全てあの楽しかった沢となってしまう。一層カタカナ発音難易度が高い日高山域を訪れるまでにはカタカナをマスターせねばならない。
<アプローチ>
富山から北海道への移動は時間はかかるが新日本海フェリーの航路を推奨したい。車に適当に荷物を積み込んで新潟港から出港してしまえば気楽な船旅でいい。到着地は小樽又は苫小牧となるので行く場所に応じて選ぼう。クワウンナイ川へは清流橋の近くの駐車場に駐車して林道跡を歩いて入渓する。クワウンナイ川へ入る人向けの注意事項が記載された看板が有るのですぐわかる。幕営地は1200~1250m付近が良いだろう。1300mを越える上部が草原とお花畑となっており薪が集めずらい。天人峡へと下山する登山道は一部整備がされておらずやや藪っぽい。全然歩けるけど水が流れている箇所も多く沢靴のまま下山が吉。ちなみに登山道沿いの第一公園付近の湿地帯は綺麗だし、二見川とアイシホップ川の羽衣の滝は美しい。中々楽しい登山道である。
<装備>
念のためピトン少々。
<快適登攀可能季節>
7月~9月。北海道の気候は全く存じませぬが感覚的に
<博物館など>
旭川市博物館:アイヌ文化、旭川市の歴史、北海道の自然がバランスよく展示された素晴らしい博物館。縄文から擦文時代、そしてアイヌ文化へと移行する解説と上川地方のアイヌの生活が再現されたジオラマが秀逸。自然展示は北海道全域がバランスよく紹介されている。
北海道博物館:北海道120万年まえから遡り紹介する人文系に力を注いだ博物館。旭川博物館に劣らず、古代、中世、近世から現代へと歴史を俯瞰できる展示で物凄く面白い。ただ、順路を辿り最後の展示となる自然系のショボさが際立つぞ。
0 件のコメント:
コメントを投稿