北海道の地質構造は特徴的な縦模様をしている。これは北海道の成り立ちが二つの島が東西方向へ衝突したためなのだが、これが北海道の山の面白さを演出している。
オロエン川は神居古潭変成帯という北海道の中でも面白い地質帯に属する河川である。神居古潭変成帯はざっくりと言えば大本の岩体である付加体がプレート運動によって沈み込み低温・高圧変成した岩の総称である。さらに白馬周辺でおなじみの緑色した蛇紋岩を含んだりと中々キャラの濃い岩なのだ。
入渓してモール泉のような褐色の水の色に驚く。もしかしたらこの流域は褶曲面の背斜地に当たりモール泉の元となる有機堆積物が含まれているのかもしれない。岩は花崗岩を主たる岩とする飛騨帯とは全然違って硬く縞々なのが面白い。川原歩きと時折現れる小滝登りを楽しみつつ進むとゴルジュが現れる。一見ヤバそうに見えるが壁を伝って泳いで滝に取り付けば意外と簡単に登ることができる。次にオロエンの滝という20mくらいの2段瀑が現れるが左岸から簡単に登れる。ちょっと川原を挟むと堰堤が現れるので沢登りとしては終了。上まで登れば何か発見があったかもしれないというのが心残りである。
さっさと沢登りを終えたら神居古潭の岩場でフリークライミングを楽しもう。ミックスクライミングで有名なここも神居古潭帯の岩。石灰質の中に緑色片岩?が含まれていたりかなり特異な岩場だ。人気ルート以外の支点はやや不安だけど珍しい岩場なのでマスト!
<アプローチ>
富山から北海道への移動は時間はかかるが新日本海フェリーの航路を推奨したい。車に適当に荷物を積み込んで新潟港から出港してしまえば気楽な船旅でいい。到着地は小樽又は苫小牧となるので行く場所に応じて選ぼう。オロエン川の入渓は地形図での最終林道地点よりちょっと手前になる。422m付近から沢が平凡になるので右岸の崩れて草ぼうぼうになりつつある林道を利用して下降する。いずれこの林道も使えなくなるのでそうなれば同ルート下降。
<装備>
沢慣れしていない人がいればロープがあった方がいいかも。ラバーソールでもOK
<快適登攀可能季節>
6月~10月。北海道の気候は全く存じませぬが感覚的に
<博物館など>
旭川市博物館:アイヌ文化、旭川市の歴史、北海道の自然がバランスよく展示された素晴らしい博物館。縄文から擦文時代、そしてアイヌ文化へと移行する解説と上川地方のアイヌの生活が再現されたジオラマが秀逸。自然展示は北海道全域がバランスよく紹介されている。
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