2022年8月30日火曜日

美瑛岳 アバレ川

 







旅はいいものだ。新しい土地を歩いていると新しい発見ばかりで飽きることは無い。とはいえ、筆者は中部地方以外で山登りは殆どしたことが無く最高国内最北到達点は谷川岳という体たらくの野暮天である。このままでは風雅の何たるかを解さぬ意固地なおやじになるのは必定。この状況を打開するには可及的速やかに旅を行うことが妥当であり、その行先は総合的観点から北海道へ向かうこととした。

越中で暴れ川というと常願寺川なのだが、ここは美瑛岳のアバレ川。ルートガイドを読むと(登山大系以外久しぶりに読んだ!)ディズニーランドだか遊園地だかに形容されている。筆者はどちらも生涯通算0回であるので、アバレ川に行けばディズニーランドが如何なるものか解することができるとのことで大いに期待が高まった。地形図で見ると穏やかな渓相が予想され本当に沢登りが楽しめるのか怪しく見えるがはて。

入渓して直ぐにアバレ川の特徴に度肝を抜く。川床の砂が常に流れているのだ。これまでこんな沢行ったことないなぁ。白銀温泉付近の地形は成層火山が故のかと思うが土砂堆積作用によって平坦化しているのかもしれない。渓相は安山岩の溶岩や凝灰岩の岩に緑色のコケが良いアクセントとなって美しい。沢登りも平坦かと思いきや意外に小滝が多くて登りも楽しめる。そういえばエゾマツを主とする森だからか谷の匂いも全然違うぞ。ちょっと巻き道に入ると松茸が取れる。むちゃ楽しいぞ。勝瑛の滝を越えると登山道が合流する。多くの人はこの登山道から下山するようだが、折角なので美瑛岳から十勝岳へと縦走しよう。美瑛岳では岩場からナキウサギの鳴き声が聞こえて北海道に来た!というムードがさらに高まるのは必至である。さらに十勝岳の圧倒的火山風景には口あんぐり。ディズニーランドの何たるかを北海道で知ることができて大満足。ロープも持たず登れるので多くの人が楽しめる良渓。

<アプローチ>
富山から北海道への移動は時間はかかるが新日本海フェリーの航路を推奨したい。車に適当に荷物を積み込んで新潟港から出港してしまえば気楽な船旅でいい。到着地は小樽又は苫小牧となるので行く場所に応じて選ぼう。アバレ川へは少年自然の家から少し林道を入ったゲート手前に駐車して少しだけ林道を歩き適当なところから川へと降りる。下山は登山道を使用するが望岳台からの登山道も意外にしっかりしており問題ない。

<装備>
沢慣れしていない人がいてもロープは要らないと思う。ラバーソールでもOK

<温泉>
白銀温泉:いくつも温泉があるが、筆者は最も安い国民保養センターに入湯した。300円也。石鹸などは事前に準備が必要ではあるが雰囲気も面白くお勧め。

<快適登攀可能季節>
7月~9月。北海道の気候は全く存じませぬが感覚的に

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