2022年9月8日木曜日

板取川 大谷350m左岸支流

















各地に山仲間が居ると現地合流して登ることが多い。そういう場合は中間地点の山域を選ぶとお互いに行っていない所が多くて発見が多い。まずは地域の雰囲気を掴むためにも有名どころから登っておきたい。と思うのだが、空模様やお仕事の都合により急な計画変更はザラで毎度限定された条件でも面白い場所は無いかと思案するばかり。

板取川の一番星は川浦谷流域で間違いない。二番手は知名度はぐっと下がるとはいえ松谷洞が名が挙がる。あとはわからないぞ・・・。よく車で走る地域ならともかく、数回しか行っていないエリアは中々イメージがわかない。こんな時は地形図と文明の利器、Googleさんの合わせ技で乗り切るしかない。するとやはり地元で探索されている方がおられて大谷流域は中々遊べそうと判明。あとは野となれ山となれ。

ごく小さな支流なので侮っていたら、前日の大雨で轟轟と林道に水を落としていて不安になる。準備運動なしでやや悪い草付きを巻くと又しても水量に阻まれて水流を登れぬ小滝。ロープを出して右岸からちょっと壁を登り登ると20mクラスの大滝が。これは左岸から沢登りらしいクライミングで突破し、小さく懸垂すると処理できる。更にもう一つ15mクラスが出るがこの巻きは簡単である。小休止的な美しい川原を挟み、500m~550mで再びゴルジュとなる。ゴルジュ突破の鍵は4m滝で流心横を登ろうとするとフリーで2手5.10b~c又はネイリングによる人工となる。恐らくこの滝はゴルジュ屈曲点の右岸から巻けるのだが突破しておきたい。あとは小さな小滝を登ればゴルジュは終了する。上部二俣は右俣を進むと700mで再び2段の滝場が現れる。上部滝は難しくないちょっとしたワイドっぽい登りで楽しい。これから上部は一気に平和となり間もなく稜線へ達する。地形図通り短いけれども面白さは一級品である。

近くに有ったら登攀系ゴルジュ練習にはもってこいだろう。やはり居住地の近くの山を調べるのは素晴らしいことだと思う。岐阜県のように硬い岩盤が露出せず、沢床は土砂ばかりの富山だけれども探索し続けたいものだ。それにしても、富山にはそのような山をやる仲間が少ない。こんなにもごはんが美味しくて、あくせくせずのんびり過ごせ、年中潤いのある空気が体中に纏わりつく良い土地であるにも関わらずどうしてだろう。太平洋側と比べれば風邪は引きにくいし、お肌のコンディションもばっちしですよ。加えて、山が近いわりに意外と都会的で住みやすく日々の暮らしと登山ライフが調和可能。世界の同志諸君、一度富山に住んでみられ~。

<アプローチ>
板取川上流へは高山からせせらぎ街道を利用して郡上へ抜けてタラガトンネルを通り向かうのが早い。大谷の林道は割と綺麗で入渓点まで車で乗り入れ可能。稜線まで遡行したら尾根を下降して北側に降りてもいいし、地形図に記載されている作業道を利用して帰ってもいい。地図で道になっていなくても鹿害によって下草が無いので自由に移動が可能。門出集落方面は私有地になっていて脱出が少々手間。

<装備>
カム一式、ピトン各種、パッシブプロテクション小さいのを少し。水量が少なければ水流を突破するのも面白いはず。その場合はクライミングシューズも有るといいかも。足回りは基本フェルトがよさげ。ヒルが多いので肌の露出には注意。

<博物館など>
洞戸円空記念館:善財童子、虚空蔵菩薩、歓喜天といった晩年の傑作を収蔵する素晴らしい博物館。私的には円空と明道の狛犬がむちゃ好きなので、何度でも行きたくなる。さらに円空の歌集まで収蔵!大般若経の修復のために私家本を張り付けて使うという感性に親しみを覚える。自分で好きな歌には丸印うってるし。

モネの池(名もなき池):洞戸の神社の入り口にある美しい池。ここ数年で急激に注目されるようになった。日中は無茶苦茶混むので早朝がお勧め。



大滝・縄文鍾乳洞:郡上郊外にある鍾乳洞。普通に廻ったら一周するのに20分くらいかかる大きさである。洞内にある30mの大滝は凄い。観光地化されていて入場料1300円とお高いが訪れる価値は十分ある。

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