福井県の方言は多様で面白い。富山と石川の言葉は割と似ているけど、福井まで行くとなんだか東北のような言葉になっていく。不思議だなあと思って改めて福井の地形を眺めていると、大野盆地の形と大きさも不思議に見えてくる。奥美濃と白山から水を集める急流2水系が集まるため、土砂が堆積したのだろうか。経ヶ岳の火山活動もその成因とも言われる。経ヶ岳は福井県内に独立して存在する最高峰である(県境ではない山最高峰)。決して大きくない山だけど、平坦地や急崖&岩崖マークが地形図に示されており、厭が応にも気になるのである。
そんで、何が言いたいかというと経ヶ岳に登りたいということです。経ヶ岳を巡る沢で最も急峻で面白そうなのが亥向谷左俣であった。亥向谷左俣は東面でとても明るい谷で、きらきらと輝く水が美しい。全体の遡行難易度は高くない。行程には余裕ができるので序盤からシャワークライミング、深い釜で泳いだり自由に楽しもう。1090mの二俣に着くと、右俣はどう見ても一直線で面白くなさそう。左俣へ進むと小さなゴルジュ小滝となり面白い。やがて門のような岩が立ちはだかり面白い光景に。八ヶ岳のような脆い岩の演出する地獄風情が百点満点である。割合快適な笹薮を漕いでいると突然山頂へと到着。黄金色の稲穂に揺れる大野盆地は人間そのものであった。
経ヶ岳へ登路として亥向谷左俣は最高だと思う。明るく快適な沢であることはもちろん、登り終えてぱっと眼前に美しい人里が広がる演出が本当に素晴らしい。そして、登って分かったことは経ヶ岳の溶岩は多分東側にはあんまり流れていないこと。最後の火山活動の火口は西側にあったことが推察される地形だったので、これはいずれまた別の沢から登山し見てみたいものだ。
<アプローチ>
亥向谷林道を行けるところまで進んで駐車する。入渓点まで車で行くことはできないので、適当な所から歩き始める。左俣は標高760m付近右岸から経ヶ岳へと流れる支流である。車の回収が相当厄介あるのは否めない。登山道を利用する前提で保月山へと通じる展望台駐車場へ一台駐車してから入渓するのが簡単。一台の場合は1609m、経ヶ岳北峰へ行ってから支流を下降するのが妥当だろうが、同じ道を歩くので精神的につらい。
<装備>
登攀具は不要。何ならロープすらいらない。
<快適登攀可能季節>
7月~10月。残雪とオロロのシーズンは辛い。
<博物館など>
大野市立歴史博物館:図書館の横にある博物館で調べ物をするのに最適な環境。大野藩の復興のため大金を投じた西洋式巨大帆船、大野丸が数年で沈没パーになってしまった話。こういう塩辛いお話にこそ歴史を学ぶ意義がある。なお、図書館にある福井県沢ガイド越の谷は必読。
<博物館など>
大野市立歴史博物館:図書館の横にある博物館で調べ物をするのに最適な環境。大野藩の復興のため大金を投じた西洋式巨大帆船、大野丸が数年で沈没パーになってしまった話。こういう塩辛いお話にこそ歴史を学ぶ意義がある。なお、図書館にある福井県沢ガイド越の谷は必読。
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