久しぶりに甲斐駒ヶ岳へ登りたいと思った。尾白川の黄連谷は甲斐駒ヶ岳山頂へ自然に至る沢でアイスクライミングで有名だが、夏の沢登りも南アルプスを代表する名渓と聞く。
尾白川の駒ケ岳神社から登ればさぞ充実するのだろうが、難しいゴルジュ帯があり週末以上の日程を要するので林道終点から入渓する。花崗岩の大渓谷といった風情で雰囲気は良い。偶然高巻きやすい設計になっているので大丈夫だが、多少地形が違えば相当難しい沢になる岩だろう。尾白川本流はやたらとロープや赤布があるが、これがなかったら巻きのラインも考えさせられることになり時間を要すると思う。黄連谷に入っても渓谷美は続く。名前の付いた大きな滝が二つあるが、この巻きは意外とややこしい。ぱっと見で巻きに入るとライン取りを間違えてしまうので地形を注視してから臨んだ方がいい。大き目の二つ目の滝の巻きは獣道が錯綜しており、降り口が分かりづらい。結局巻きから二俣へダイレクトに到着した。右俣に入ると最初は水際や小さく巻く形で登れる滝が続き面白い。奥千丈の滝がどれだが分からなかったが、4か所くらいロープを出して登った。どちらもそれなりにクライミングだったので、ある程度の心得が無いと危なそうだ。スラブが発達しているためイメージしていたよりも高巻きが多い。厳しくも危なくもない巻きだが、やはりアイスクライミングで直登したほうが楽しいだろう。2400mの幕場から進んだナメ状多段滝を1ピッチ登るとあとはロープは要らない。甲斐駒ヶ岳の山頂はガスにもかかわらず賑わいをみせる。流石の百名山である。
思ったよりクライミングで巻きが多い沢であった。解放感があり眺めが良い沢だし、標高差も十分でよい運動になる。しかしこの沢の本当の価値は駒ケ岳神社から本流を遡行して山頂に立つことかもしれない。少し日数がかかるので夏休みに丁度いいかも。
<アプローチ>
黒戸尾根の登山口となる尾白渓谷入り口か、日向山の矢立登山口に駐車する。矢立の方は駐車スペースが狭いので要注意。幕営は右俣2400mが極上である。他は1900mくらいのところが良かった記憶があるような。下山は黒戸尾根が安牌
<装備>
カム少々(小さめ)、足回りはラバーの方が有利
<快適登攀可能季節>
7月~10月 (多分)
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