2026年9月25日金曜日

海川 鉢沢








 海谷支流の沢は短く急な沢が多い。スケールは小さいけど岩壁に囲まれた海谷というロケーションの只中でのミニゴルジュと小滝登りは結構楽しい。鉢沢は登山体系に記載がある大きな滝があるということ、それ以外の情報を得ることは難しい。

 出合は渇水時には枯れてしまうほど貧弱だ。少し登ると水流は復活するので安心して進んでほしい。ゴルジュ状の二段瀑を超えると側壁は一層立ってきてのっぴきならない雰囲気となる。記載通り35mくらいの大滝が姿を現す。直登はできそうだが支点を取るのは苦労しそうだ。少し手前に絶妙な獣道が続いていたのでそれを利用して高巻いた。そこから先は水量が少ないものの美しい小滝が現れる。登るのに怖い滝もあるので油断せずロープを出したり無理せず巻いたりした方がよさそう。この沢は安山岩の岩のようである。海川上流の泥岩や砂岩と違って硬くホールドもあるので比較的登り易い。小滝ゾーンが終わるとボサっとした沢になるので、1273mの方に登った。開けた場所から観察すると左俣の最上部は岩壁に吸収されており阿弥陀山南峰へと続いている。後ろ髪を引かれつつ右俣へ下降した。右俣は地形図で何かありそうな雰囲気であったが、ゴルジュは土砂で埋まって困難は無かった。

 左俣を楽しいところまで登って右俣を下降するのであれば門戸が広い行程である。左俣を詰め上げて阿弥陀沢右俣を下降すると、総合力を要求される登山となるだろう。
 ところで、9月に海谷に行くとドロノキらしき綿毛の舞う光景で出会うことができる。本当に視界一面綿が待っており、自然の意外性と美しさに嘆息が漏れる。ドロノキは陽樹であるため、開けた海谷高地に多く自生できるのだろう。海谷はその地形的特性から二十四節気が正しく刻まれている気がする。そして海が近い山地であるため朝と夕にも別の顔を示す。登山をどうこう言わなくとも、そこにいるだけで価値を感じてしまう面白い山だ。

<アプローチ>
山峡パークに駐車し登山道を利用し取水堰堤まで。そこからほどなく阿弥陀沢が出合となり、次に鉢沢が出合う。左俣を登って右俣を下降するほか、左俣を最後まで詰めて岩壁沿いに登り、阿弥陀沢右俣を下降するという手もある。阿弥陀沢右俣はどうやら強烈なゴルジュっぽいので下降の時間は注意。

<装備>
カム、ピトン少々。フェルトでもラバーソールでも可ではないか。下部の大滝はクライミングシューズが有ったら安心して登れるはず。

<快適登攀可能季節>
7月~11月。虫が少なく快適な時期がよい。

海川 富夫沢















 富夫沢は鬼ヶ面山北峰と南峰のコルに突き上げる沢である。不気味なスラブやゴルジュは発達していないので、気楽に山頂へ立てるだろうとの思いで出発。

 鬼ヶ面を過ぎてすぐに出合うが、入口からボサっとしており先が不安になる。入っても実際藪っぽいが、急な沢のために小滝登りが続きそこまで気にならない。取り立てて難しい小滝は無いし、小さく巻くことも簡単なので遡行速度は速い。やっていることは結構楽しいのに藪っぽさで気が散ってしまうのがちょっと残念。上部では二俣で地形が曖昧になることがあり、コルを目指すには注意がいる。コルが近くなるにつれて傾斜が強くなるので藪漕ぎは殆どない。が、泥と灌木を掴む際どいモンキークライムが待っている。鬼ヶ面山は長めのとてもいい山で山頂からの眺望をぜひ堪能してほしい。三峡パークへの登山道の悪さは折り紙つきである。遡行終了してからが本番と思って油断せずに歩こう。

 富夫沢を目的として沢登りをすることは無くても、ほかの沢やエビクラの岩壁を登って三峡パークへ戻るついでに登るには丁度いい。

<アプローチ>
山峡パークに駐車し登山道を利用し取水堰堤まで。そこからほどなく阿弥陀沢が出合となり、次に鉢沢が出合う。左俣を登って右俣を下降するほか、左俣を最後まで詰めて岩壁沿いに登り、阿弥陀沢右俣を下降するという手もある。阿弥陀沢右俣はどうやら強烈なゴルジュっぽいので下降の時間は注意。

<装備>
カム、ピトン少々。フェルトでもラバーソールでも可ではないか。下部の大滝はクライミングシューズが有ったら安心

<快適登攀可能季節>
7月~11月。虫が少なく快適な時期がよい。