2022年7月18日月曜日

片貝川 坂様谷右俣






サカサマ谷なのかサカヨウ谷なのか良く解らないまま、訪れた坂様谷。出合いはちょっといい雰囲気だが、すぐに土砂っぽくなる。谷中にそんなに嫌な雰囲気はないものの川床が浅いので沢登り的には物足りないかもしれない。足元には当地ではおなじみの赤色の斑点が混じった花崗岩が多い。これといった滝が無いまま右俣へ入ると、一瞬シャワークライミングとなり期待が高まるが以後は単調となる。簡単な沢なので午前中の早い時間には終了する。山菜取りに、ハイキングがてら、午後から天気が崩れる時、家族との時間を大切にしたい方、多くのニーズに応える坂様谷である。下山後、チロルで伺ったところサカサマと判明。それで、さかさまって何なんだ?

<アプローチ>

洞杉駐車場から歩いて坂様谷出合いまで。右俣を遡行する場合土倉谷支流を下降するのがいい。この支流は上部で山抜けが発生しており土砂堆積が著しい。流木を利用して2回懸垂があるが概ね下り易い。


山抜けが起きている花崗岩は赤みを帯びていたり、異様に白っぽかっ買ったりする。これはなんでだろう。もちろん同ルート下降も容易。

<装備>
沢慣れしていればプロテクション類は要らない。滝中の岩は硬いのでピトンやカムなど十分に使えると思う。

<快適登攀可能季節>
6月~11月。水は少なく、濡れも多くないので晩秋も行けると思う。

<博物館など>
洞杉:魚津が誇る岩を抱えるように発達した杉の巨木群。南又方面へ向かう際には訪れてみるといい。



魚津水族館:歴史有る水族館で主に県内に生息する魚を展示。こじんまりとしているが魅力的な水族館。可愛いPOP解説も面白い。
魚津埋没林博物館:でっかい木が沈んでいるだけなのだが、なぜか趣がある。

2022年7月16日土曜日

寂地山 宇佐川 犬戻峡

 








旅すがらふらりと訪れる里山ほど楽しい登山は無い。山口県にある寂地山という山は一切聞いたことは無かったのだが、クライミングしていて周辺で高い山を探したら山口県最高峰という事が判明。これは行かざるを得まい。

寂地山南面には犬戻峡、寂地峡、浦石峡と綺羅星のごとく峡谷が居並ぶ。このほかにも魅力的な渓谷があるが、寂地山を目指すため、ぐっと堪えてお犬様へ向かう。犬戻峡の渓相は奥美濃の谷と雰囲気が似ているがちょっと違う。何より明るい谷でうきうきしてしまう。犬戻の滝周辺は想像の3倍素晴らしく感動。そして快適に登れる。竿を出したらイワナが生息していることを確認できた。中国地方にも高密度で生息しているのかもしれない(放流なのだろうか)。とても気持ちよく遡行を終了してのんびりしていると、信じられないことに犬が登山道から降りてきた。リアル犬戻事象の発生に重ねて感動。さて、本題の寂地山も見晴らしには乏しいが大変よい里山である。賑わう山頂で地元の方とのおしゃべりは楽しい。地域の声を聴くのは旅の醍醐味。そんなこんなで忽ち山が好きになってしまう。次は浦石峡かな。

<アプローチ>
寂地峡キャンプ場に駐車して右岸に続く林道をあるき適当なところから入渓。下山は林道を歩いて楽勝だが、折角なので寂地山までハイキングしていくのがよい。

<装備>
スリングのみでOK

<快適登攀可能季節>
3月~11月。たぶん


2022年7月4日月曜日

二又川 大清水谷










富山に縁のある山に関する資料は県立図書館で閲覧できるが、他県の資料となるとさっぱりである。地形図に示されていない谷の名前が分からずに困ることはしばしばある。白山に関する資料はないかと古本を調べたところ、わが白山連峰~ふるさとの山々と渓谷という本が当たり買ってみた。すると、信じられないほど詳細な概念図が付録されている!これまでちょっと気になっていた山域が一気に身近となり、全部行きたいぐらいになってしまった。先の概念図で滝の名前が示されている谷は多くない。その中で大清水谷には菊ヶ滝という名の滝名が記されている。これは行かねばなるまい。

大清水谷は出合からしばらくゴーロが続く。楽勝ムードが漂い始める標高730mから雰囲気が一変する。スラブに取り囲まれた多段の大滝が現れずーん。となるのは早計だ。右壁はホールド豊富、プロテクション良好なので突っ込んでしまおう。きっとこれが菊ヶ滝なのだろう。この多段滝の途中の岩角に古い残置スリングがあったのは驚いた。だれか下降したのだろうか。次の滝は上部でちょっと岩が脆くなりこの谷の核心である。以後も登り易い滝が現れる。標高950mくらいからは再び楽勝ムード。あとは口三方岳へのウイニングロードだ。

<アプローチ>
林道をやたらと歩く羽目になる犀川ダムから入山するよりも順尾山登山道から沢を下降して取り付くのが良いと思う。地形図には順尾山から月ヶ原山まで登山道が記載されていないが、実際にはよく整備された登山道がある。或いは刀利ダムから小矢部川上流部へ車で入り山越え入山、直海谷川支流から山越えして入山といった山越えがいい。筆者らは継続遡下降の計画の一環として直海谷川ワキ谷を登ったのち、二又川ゼンタナを下降して取り付いた。この時の下山路は直海谷川の三方谷とした。ここは藪が多いものの下降に難渋するところは無く下り易い。
先に記した通り、この山域における各支沢の名称は長崎幸雄著「わが白山連峰~ふるさとの山々と渓谷」に詳しい。

<装備>
カム少々、ピトン各種

<快適登攀可能季節>
7月~11月 早い時期だと残雪が残っているはず。7月末から8月末まではオロロが発生するので避けた方が良い。

直海谷川 ワキ谷










直海谷川は素晴らしい渓谷である。これを伝えるべくいつも声を大にするよう努めて生きている。本流左俣、右俣は言わずもがな、支流も捨てがたい魅力がある。

ワキ谷は名前通り主役にはなれないが、名脇役として直海谷川を支えている。林道から標高900mまで快適に登れる滝が連続して爽やかな沢だ。出合いから快適な小滝を幾つか登ると30mの大きな滝が現れる。プロテクション良好、クライミング上々、シャワー最高、絵にかいた良い滝である。ここからぱっと見登れるか際どいけど取り付けば簡単な滝が連続する。終始岩は支点は良好なので不安が有ったらロープを出したい。900mを過ぎると谷は穏やかになるが、滝登りの雰囲気は続く。中三方岳西肩のコルを目指すとヤブコギは殆どない。

林道は廃道化が進む一方ではあるが、他にも小さな支流を訪れてみたい。

<アプローチ>
口三方岳の登山道へ通じる林道へ入る。車は内尾谷の分岐までしか入れないのでそこに駐車する。林道を歩いて直海谷川544m地点に合流するワキ谷へ入渓する。林道は途中から廃道と化しているので軽いヤブコギすることになる。日帰りの場合は滝谷を下降するのが合理的。ちなみに谷の名称は長崎幸雄著、わが白山連峰~ふるさとの山々と渓谷~に詳細に示されている。筆者はそちらの名称を記載している。

<装備>
カム少々、ピトン各種。足回りはフェルト

<快適登攀可能季節>
6月~11月。オロロが酷い地域なので注意。6月は残雪が残る。

<温泉>
セイモアスキー場の横に河内千丈温泉がある。静かで綺麗な良い風呂。

<博物館>
石川県立ふれあい昆虫館:標本の数はまずまず。なにより生きた昆虫を間近に観察できる。蝶の放し飼いされた温室は凄い。皇太子ご夫妻(令和天皇)もこの昆虫館を訪れている。雅子妃(皇后)が温室に入った際、雅子妃の頭に蝶がとまったシーンは何度もテレビ放送された。


飛騨川支流神渕川 石作谷 

 









忙しい現代人には小さくても面白い山は貴重ですよね。飛騨川の飛水峡周辺は浸食されやすい地質なのか、水量が少ないにも関わらずゴルジュが発達している。富山にはこんなの無い。羨ましいなぁ。人生とは持つ者、持たざる者によってデバイドされ不公平で理不尽なんだなぁ。それでも、前を向いて歩いていく。

よって、活動石作谷を訪れた。入渓を前にして少々林道を歩く。川に泳ぐ魚はアブラハヤなのだろうか、背中からは全然わからないが沢山泳いでいるのが印象的である。入水するとすぐさまゴルジュになる。水量が乏しく圧迫感がないのでお気楽バイブスで進行可能だ。圧倒的なゴルジュを快適に越えたのちに美しい連瀑帯となる。流石にこれは登れないので右岸から巻いたが、遊歩道?送電線巡視路?謎の道が現れてそれを利用する。ただ、雪に鍛えられていないブッシュは脆弱なので掴む前には入念にチェックしよう。以降はこの道を傍目に進んでいく。渓相は美しいし小滝登りは楽しい。登り終えてから下山に使用する室生兼屋という山は大変良い山で二度おいしい。

ネガティブな感情なしにヒャハーできる明るい谷だ。ちょっと遠いけど前向きグルーブで乗っていきたい時にはお勧め。

<アプローチ>
石作谷林道は入り口にゲートがある。ここは鍵がかかっておらず空けて入ることが可能。車高の高い車ならば終点まで行ける。道幅が狭く路肩駐車できる場所は限られる。谷を詰めると林道と合流する。稜線の北側を通っているが室生兼屋(678.6三角点)の東側コル手前で消失する。うっすらとした道を辿り、コルへ到達するともう少しはっきりした道となる。これを歩いて室生兼屋山頂へ向かう。山頂からの登山道を利用するが分岐が1点あり分かりにくい。境界分岐杭が打ってあり、稜上を指す「体育館」という杭と「林道」を指す杭があるところから林道へと降りる。筆者は興味本位で稜上の体育館方面へと降りたがこちらは歩きやすく特に問題は無かった。

<装備>
沢慣れしていればロープは要らない。

<快適登攀可能季節>
4月~11月。標高は低いし長期間たのしめるのではないかと思う。

<博物館など>
日本最古の石博物館:地球岩石の成り立ちを学べる。怪しげな外観に反し、ちゃんとした科学館だ。レッキー君と地球の歴史を旅しよう!ただし、日本最古の石の称号は新たに発見された島根県の石に奪取されている・・


高賀川 大和谷

 













濃尾平野に生まれ育った筆者にとって円空は当たりの存在だった。デパートの展示、美術館の展示や各メディアで報じられ、みんな好きな有名人だと思っていた。しかし、富山で円空の話をしても誰も「それな~」とはならなかったのは驚嘆した。それもそのはず、円空は蝦夷までの旅路の途中に越中も訪れているが残っている作品は多くは無いのだ。恋しい。あの柔らかな微笑みが。厳しさの中にあるかわいらしさが。ひとたび円空に触れたものはまた帰る。こうして而立を前にしてゆるやかに円空活動、略して円活を開始した次第。

さて、山登りのお話である。山岳信仰が隆盛した中世に栄えた高賀山だが、現在は林道が蹂躙しその神性は沈んでいる。誰でも親しめる山になったのだがちょっと寂しくも嬉しくもある。大和谷は高賀川の本流に該し、高賀山山頂へと一直線に至る。これは有難い谷だなあと思って調べると幾つか記録はあり中々面白そう。

最初の7mくらいの滝が現れるとそこから美しく登れる滝が多くなる。やがてゴルジュ段瀑が始まるが3段くらいは右岸から高差30mくらい巻き、右へトラバースして懸垂して川へと復帰。そこからさらに段瀑が続いておりシャワーを浴びつつ微妙に悪いクライミングとなる。単独円活のフリーソロだったので割と緊張した。ゴルジュ段瀑が終わっても斜瀑が出てきて飽きない。詰めは崩壊ゴルジュクライミングでこれまた面白い。見た目は脆そうだが特に危険は感じなかった。上り詰めればすぐに山頂だ。下山道では円空が木喰戒の修行中に使用したといわれる岩屋が有るので忘れずに立ち寄ろう。

円空が修行した山で滝行である。となれば、いつものシャワークライミングとは水の味が違う。その後、傑作鑑賞と洒落込めば最高の円活となるだろう。フクベも近いので併せてボル活も一緒に楽しめるし、洞戸最高のデートスポット「モネの池」もあるので恋活も可能。円空の木喰戒スタート地点なので、終活にもいいかも。世の活動家の皆さん、一度は高賀山へおいでよ!

<アプローチ>
高賀山南側にある登山道駐車場を利用する(地形図に記載なし)。林道は崩壊によって通行止めになっているが歩行に支障はない。大和谷に入ってからも谷中に遊歩道なのか作業道なのか解らない道がしばらくついている。下山は登山道を利用する。

<装備>
バリバリ直登したいのならばカム、ピトンなど準備。それほどでもないならばスリングのみでOK。

<快適登攀可能季節>
4月~11月。あまり概念が無いので何とも言えないけど。

<博物館など>
洞戸円空記念館:善財童子、虚空蔵菩薩、歓喜天といった晩年の傑作を収蔵する素晴らしい博物館。私的には円空と明道の狛犬がむちゃ好きなので、何度でも行きたくなる。さらに円空の歌集まで収蔵!大般若経の修復のために私家本を張り付けて使うという感性に親しみを覚える。自分で好きな歌には丸印うってるし。

モネの池(名もなき池):洞戸の神社の入り口にある美しい池。ここ数年で急激に注目されるようになった。日中は無茶苦茶混むので早朝がお勧め。



大滝・縄文鍾乳洞:郡上郊外にある鍾乳洞。普通に廻ったら一周するのに20分くらいかかる大きさである。洞内にある30mの大滝は凄い。観光地化されていて入場料1300円とお高いが訪れる価値は十分ある。