2025年6月16日月曜日

川浦谷 日河原洞













 川浦谷は富山からちょっと遠いが、北陸よりは沢登りシーズンの始まりが早いので沢養分を早く補給したいのであれば行先として悪くない。そうはいっても、海ノ溝や本谷ゴルジュは盛夏にバシャバシャやるのが楽しいので、どこを登ろうかと思って地図を眺めていたら日河原洞が五月闇の月光に照らされる紫陽花の如く滋味あるものに見えてきた。
 入渓すると近年の大雨の影響が土砂と倒木で少し谷が荒れた印象を受ける。しかし、岩盤はおおむね露出しており小滝や小ゴルジュは美しい。段々両岸が立ってきて凄いゴルジュ地形になるが、残雪が詰まっていて上に乗ったり、雪の隙間をずりずりしながら進む。ゴルジュ内に滝は無いようだ。どんな所なのか全然調べずに来たので高鳴るハートビート。渓の雰囲気は良く、20mくらいの滝も現れ始めて盛り上がりを見せる。その後この谷最大の40m滝である。難しすぎず、簡単すぎない緊張感でプロテクションも程々に取れる。あとは何も無かろうと思いきや、ロープなしでも快適な小滝や連瀑が続いて想像していたよりもずっと楽しい。尾根に出て中部電力管理林道に出て遡行終了となる。小ぶりな谷ではあるがきらりと光り間延びしない良さがある。

<アプローチ>
下道で高山からせせらぎ街道(県道73号)経由で郡上まで。さらに国道256号を使いタラガトンネルを抜けて北上。林道終点(ゲートあり)から徒歩30分で銚子滝遊歩道起点に着く。日河原洞は目の前なので間違うことはない。下降は箱洞、西ヶ洞谷川どちらでも可。川浦谷流域のみで一泊二日だと時間を持て余すので、西側へ降りて東河内谷流域を登り返して遊ぶといい。明神洞や二又谷が地理的に下降しやすい。

<装備>
カム一式、ピトン薄刃数枚。

<快適登攀可能季節>
6月~10月位な気がする。6月上旬はヒルを見かけなかった。

<博物館など>
洞戸円空記念館:円空は高賀山で修行をしたといわれる。縁の地に数多く作品を残した。虚空蔵菩薩、狛犬など後期の名作が多い。高賀神社では円空直筆の歌集も発見されいる。山頂への登山道の途中には修行に使われた岩屋がある。円空好きには堪らないスポット。

モネの池:洞戸の神社の入り口にある美しい池。日中は無茶苦茶混むので早朝がお勧め。次は蓮の花が咲いたときに訪れてみたい。



大滝・縄文鍾乳洞:郡上郊外にある鍾乳洞。普通に廻ったら一周するのに20分くらいかかる大きさである。洞内にある30mの大滝は凄い。観光地化されていて入場料1300円とお高いが訪れる価値は十分ある。

根尾東河内谷川 二又谷

 








 美濃の谷はちょっと遠いので一度行ったら沢山の沢を巡りたい。根尾東河内谷川の一番星は明神洞に違いない。しかしながら、明神洞の一つ南側に当たるのが二又谷も捨てがたい。思いがけず出会った美渓は心象に残るものだが、それを差し引いても良き沢だと思う。ちなみに名称は入口にある堰堤の銘板で知った。沢は明神洞のような固い岩質が主体で登ったら面白そうな滝がいくつも出てくる。最上部にはのっぺり大きなスラブ滝が鎮座する。下降で訪れた谷であったが、登ってこそ面白そうである。もし、明神洞を登ったことが有あるなら川浦谷から継続で二又谷を登るのはいかがだろう。
 
<アプローチ>
上大須ダムから至近であるが、筆者らは川浦谷から山越えをして下降している。箱洞や日河原洞を登って明神洞や東河内谷本谷を下降すると運転する距離も省けて合理的。

<装備>
カム一式、ピトン薄刃数枚。

<快適登攀可能季節>
6月~10月位な気がする。6月上旬はヒルを見かけなかった。

<博物館など>
洞戸円空記念館:円空は高賀山で修行をしたといわれる。縁の地に数多く作品を残した。虚空蔵菩薩、狛犬など後期の名作が多い。高賀神社では円空直筆の歌集も発見されいる。山頂への登山道の途中には修行に使われた岩屋がある。円空好きには堪らないスポット。

モネの池:洞戸の神社の入り口にある美しい池。日中は無茶苦茶混むので早朝がお勧め。次は蓮の花が咲いたときに訪れてみたい。



大滝・縄文鍾乳洞:郡上郊外にある鍾乳洞。普通に廻ったら一周するのに20分くらいかかる大きさである。洞内にある30mの大滝は凄い。観光地化されていて入場料1300円とお高いが訪れる価値は十分ある。

2025年6月15日日曜日

庄川 192m左岸支流

 







 庄川での沢登りはどうも癖になる。それは沢登り的に楽しいところもあれば、そうでもないところもあるから。どこを登っても面白い流域はただ行くだけなので消費していく感がある。しかし、時々あちゃーってなりながらも時々すごく楽しい所が有ると、地図をしっかり読んで楽しいところの共通点を探すようになる。この操作には時間を要する事もあり、来訪間隔が伸び、その間に感受性の変容も生じる。ゆえに遊びとして深くなる。
 駈足谷川は国道から快適そうな連瀑が丸見えで誰しも訪れることだろう。谷の名前が分からない192m左岸支流は国道からはさっぱり見えない。国道は大牧トンネルが通っているためだ。意味深な谷の屈曲やちょっとゴルジュっぽい地形は行ってみないとわからない。
 
 真剣に悪い国道からの下降と本流のへつりを経てたどり着いたその渓の入り口はすごい土砂。この程度で動じていたのでは富山での沢登りはままならない。トンネル工事によって残されたであろう人類の遺構を存分に堪能して屈曲点を過ぎると沢登りらしくなる。屈曲点は特別な点は何もなく、涼しい顔をして曲がっていた。岩は基本飛騨帯の花崗岩質で時々破砕作用を受けており脆い。コンタの詰まった所に現れる12m滝はロープを出して快適に登れる。以後も小滝が散発的に出て退屈しない。出合いの土砂で身構えたが思った以上に沢登りを楽しめている。地形図で登山道が横切っている箇所は何もわからない。快適なまま、793.6m三角点西へと向かい採石場へと続く廃林道を降りた。
 アプローチがすごく悪いので行きづらいが遡行は早く終了する。篤志家かつ午後から予定がある時にちょっと遊ぶ、ちょっと雨の日に軽くお散歩したい、庄川の地形と土砂崩れを研究している、大牧トンネル推し活で建設遺構を見学したいなど多くの人に訪れる理由が見いだされる渓谷といえよう。

<アプローチ>
駈足谷橋から次のスノーシェッド隙間にある路肩パーキングに駐車して本流へと下降する。駐車は大牧トンネル入り口より少し手前である。沢登りよりもこの本流への下降と支流入口までのへつりのほうが悪い。本流への下降が悪いと感じたら懸垂したほうが安全。下降は十八谷右俣か採石場から続く林道を利用する。

<装備>
カム少々

<快適登攀可能季節>
6月~11月。早い時期だと残雪が残っている。

<温泉>
大牧温泉:舟で対岸に向うという、火曜サスペンス劇場的なロケーション。もちろん行った事は無いが一度行ってみたい。