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2021年8月18日水曜日

網の瀬川 西の内川鹿納谷

 









大崩山は沢、岩、ハイキングどれをとても魅力的な山で大好きになってしまった。明るい花崗岩の谷にでかい岩壁にボルダー、そして魅力的な登山道とどれをとっても素晴らしい。

鹿納谷は大崩山西面の鹿川集落を流れる西の内川の支流に当たる。祝子川ゴルジュに匹敵する美渓であるがより安近短でそれを楽しめるのがこの谷の良さである。遡行内容は殆ど記憶にないが、環境的危険因子は無く終始快適な楽しさが続く谷だった。

ちょっとスケールが小さいのでこの沢だけを目的とするより、比叡山の岩場、矢筈岳の岩場との抱き合わせのツアーとするのが理想ではないかと。逆に岩登り目的で訪れる人にも、レストがてら沢登りというのも良いうのもお勧めしたい。はたまた継続遡下降からの岩登り継続などスケールの大きな山登りを一気にするのも心象深い登山となるはずだ。さらに周辺には開拓済みの岩場の他にも気になる岩崖マークがそこかしこに有る。時間があればしばらく居ついてブラブラとしたい所である。

<アプローチ>
富山からは丸一日かけて宮崎に到着する。筆者らは運転時間を削減すべく佐田岬から大分に渡った。入渓点には明確な駐車場は無いため、鹿川から延びる林道横に駐車する。

<装備>
残置で人工登攀する場面があるのでアブミがあるといいが、スリングでも代用可。靴はフェルト、ラバーどちらでも行けるがラバーの方が調子がいいかと。

<快適適期>
多分5月~11月くらいなんじゃないかと思う。不思議なことに水は祝子川よりも冷たくない。ちょっと天気が悪くても問題ないので、岩登りできない天候でも遊べる。

<温泉>
日之影温泉駅:鹿川周辺に入浴施設は無いので日之影温泉まで行く。確かアルカリ単純泉だったような。さっぱりとした泉質でよろしい。食堂のごはんもおいしそうだった。

2021年8月13日金曜日

大崩山 祝子川本流

 







分類するという行為は幾分手前勝手で残酷な事な気がする。宮崎県は「花崗岩の王国」とも呼ばれるくらい、大きな花崗岩と花崗岩と花崗斑岩が沢山ある。硬くてクライミングに最適な岩なので多くのクライマーを迎えている。もちろん筆者もその恩恵にあずかる一人ではあるが、一聴して同じ「花崗岩」を基盤岩とする県民としては複雑である。富山県には毛勝岳花崗岩と称される一億五千万年以上前に生じた花崗岩を主とする剣・立山がある。花崗岩という括りで言えば同じなのだが成因や環境が異なるため特性は違う。それなのに、「花崗岩」というベールで被われてしまうと、一緒くたになってしまう。

祝子川本流のゴルジュは芸術的なまでに滑らかに浸食された渓相が美しい。ゴルジュと言っても東面で明るいうえ、側壁は高くない。泥の草付きもなければガレもない。水量が少なければ難なく楽しめる沢である。ちょっとしたクライミング要素はあるものの、沢慣れしていればどうのこうの言う必要ない。技術的な懸念や不確定要素が少ないので純粋に美しさに酔いしれることができる。きゃきゃと相棒とじゃれついている間に終わってしまうのが残念だが、欲求不満は大崩山山頂に行くことで十分満たされるだろう。ピークハントはもちろん、小積ダキと湧塚岩峰群など岩場偵察を兼ねれば最高の山旅となるはずだ。何なら継続してクライミングするのもいいかも知れない。湧塚岩峰群には多分登られているであろう興味深いクラックが幾つか見られた(主にワイド)。

花崗岩でも浸食のされ方がここまで違うとなると同類とみなすことは違和感がある。そういえば五十沢の浸食されっぷりも異質であった。僕らは対象を類似点と相違点によって相対的に認知する方が得意だ。分類すること、それは人間が対象を理解するのにとても有効な手段である。しかし、時にその本質を見失う危険を孕んでいることを忘れてはならない。先入観に囚われて対象の特性とその成因のオリジナルな価値を覆ってしまう恐れがある。分類学の祖、生物分類では技術の進展により「種」という概念が曖昧になっている。先人の為した分類も時代と共に理解に変化があって当然なのだろう。今を生きる我々はオリジナルな価値を幅広く楽しめる、しなやかな感性を涵養したいものである。

岩も生き物も存在するものすべて、みんな違ってみんないい。そんなピースフルな気分を感じるためにも、各地の花崗岩の谷を堪能してはいかがでしょうか。

<アプローチ>
富山からは丸一日かけて宮崎に到着する。筆者らは運転時間を削減すべく佐田岬から大分に渡った。大崩山登山道駐車場は全広くない。場合によっては林道端に駐車せざるを得ないので注意。

<装備>
カム少々。磨かれた岩にフェルトは無力でラバーソール一択。人工登攀する箇所があるのでアブミがあれば便利だが無くても何とかなる。

<快適適期>
多分5月~11月くらいなんじゃないかと思う。筆者らが訪れたのは春だったが、薄手ウェットスーツで全く問題なかった。

<温泉>
祝川温泉美人の湯:小さい施設だがとってもきれいで良い。pHはそんなに高くないがヌメリのある泉質。多分炭酸水素ナトリウムの影響だと思う。

2021年7月25日日曜日

宮崎県 比叡山の岩場

 







 運転が苦手で出不精がちな性格により、中部地方以外の地域で登山を殆どしたことが無なかった。山登り以外で旅行もしたことないので日本全体の事は良く知らない。いいおじさんが旅行もせず、ジメジメした暗い空の元で登山しかしていないとは由々しき事態である。諸々が標準偏差から大きく逸脱しても構わないが、相場感に通じていることは相互理解の観点から重要なんではないかと思う。宮崎県は膨大な岩資源に恵まれたクライミング天国である。乾いた岩と青い空、それに美味しいご飯もある。これだ!

 遠路はるばる訪れたのは比叡山周辺の岩場。数多くのマルチピッチルートとボルダー課題があることで有名である。この周辺だけでワンシーズン遊んでも飽きないくらいの岩量があった。マルチピッチの支点はボルトがメインだが物凄く良く整備されているので快適そのもの。フェース、スラブ、クラックと壁の構成が多彩であるのも魅力である。クラック部分はボルトを無視して登るといい。色々と登ったが大長征ルートと白亜スラブというルートの印象が強く残った。どちらも難しくは無いが、イメージ通りの九州クライミングを堪能できた。マルチを登った後すぐにボルダーに興じれる手軽さもありがたい。エリアに岩が集中しているので、ちょっとした時間でも十分楽しめる。

 そんなこんなしていると結局山か岩しか登らず観光要素は乏しくなってしまうのだが、ま楽しかったので良し。一番驚愕したのは北浦のブリが脂がのっていなくて、身がしまっていたこと。フクラギとも異なる触感で、同じ魚でも産地によりここまで味が変わるのかと魚食の奥深さを深く感じたこと。これこそが一番の収穫であった。

<アプローチ>
富山からは丸一日かけて宮崎に到着する。筆者らは運転時間を削減すべく佐田岬から大分に渡った。

<装備>
クライミングギア、ボルトが良く整備されているのでヌンチャクも多数。

<快適適期>
多分10月~4月くらいなんじゃないかと思う。

<温泉>
日之影温泉:比叡山周辺には公衆浴場は無いので日之影へ行く。
喜楽湯:延岡にある銭湯。物凄い昭和風なレトロ銭湯で面白い。観光地として楽しむのがよい。