糸魚川の良い所は小さな山でも沢や岩があり短時間で遊べることだ。小さい山は雨が降っている時や大雨の後、青海の岩場をセット、糸魚川ジオパーク観光等、アウトドアライフの充実には欠かせない。
虫川の釜田川は沢登りにいいよね~。といって解り合えるホモサピエンスは現在80億人中自分1人、何なら人類が知性を有して以来1人かもしれないと思うと20万年の孤独に震える。そのようなことが無いよう解説しよう。釜田川とは西中集落で虫川と合流する小さな沢である。この一帯の山は黒部川電力の送電線や琴沢採石株式会社の鉱山道があり林道が発達している。地質は舞鶴帯に属する可能性が示唆される苦鉄質岩類と砂岩・泥岩の虫川層からなり、地質的な境界部には滝が現れることが多い。また、泥岩と砂岩は浸食されやすいようで水量が少なくてもゴルジュを形成することが有る。虫川は塩の道西回りルートになっていた。牛繋石や石組といった遺産から往時を偲ぶのも趣深い。
さて、場も暖まってきた所で遡行の噺をば。導水管から入渓して20分くらい河原を歩くと15m滝が現れる。ここは気持ちよくシャワークライミングを楽しめる。普段は水量が少ないため増水時の方が面白いだろう。次の6m滝もスラブ状で支点が取りにくいのでピリリとする。次の15m滝は瀑布が宙を舞い脆い岩なので巻く。これで核心は終了。以後も小さなゴルジュや気持ちのいい川原が多い。谷が浸食されているので意外に薮っぽくないのがいい。ひどい藪漕ぎもなく驚くほど整備された送電線巡視路に飛び出す。森の樹木種が豊富が美しいので秋のハイキングに来たいくらい気持ちいい。
遡行時間は2時間~3時間程度で終わる。先述の通り遊び方の自由度が高いため万人にお勧めできる。沢屋かつクライマーの皆様は青海の岩場へい行く前のアップぜひどうぞ。青海は午前中の暑い時間は沢登りして、午後陰ってから勝負がお勧め。
<アプローチ>
西中集落から田んぼ沿いの林道を電気柵を外して導水管のあるところまで入り込める。408.5m三角点の稜線は送電線巡視路が素晴らしく整備されている。筆者らは南側の琴沢方面へ降りた。送電線の敷設具合から想像するに北側の釜田川方面へは続いていないと思う。琴沢から歩いて戻ることになる。琴沢の林道は採石場のど真ん中を走る私有地なので平日は歩かない方がいい。歩くのであれば、遡行は日曜日限定にするのが無難。
<装備>
下部ゴルジュの滝を直登するのならばカム一式、ピトン少々。
<温泉>
ひすいの湯が最寄りだが高級。帰りしなならば、朝日町の境鉱泉、たから温泉といったナトリウム泉の温泉がある。500円くらいで入浴可能。
<博物館>ひすいの湯が最寄りだが高級。帰りしなならば、朝日町の境鉱泉、たから温泉といったナトリウム泉の温泉がある。500円くらいで入浴可能。
<快適登攀可能季節>
5月~11月
フォッサマグナミュージアム:糸魚川ジオパークの拠点となる博物館。一度は必ず訪れたい。
翡翠園:散策可能な日本庭園。よく考えられていて、どこから見ても趣が有る。島根県足立美術館の作庭が有名な中根金作による庭園である。構成から考察するに、彼はあの巨大なヒスイ原石を嫌悪していたのではないかと邪推してしまう。
玉翠園:同じく中根金作による庭園。こちらは観覧庭園でガラス越しにしか眺めることは出来ない。柔らかな丘による高低が印象的。