2018年12月28日金曜日

船窪岳






北アルプスの好きな山は?と聞かれて、船窪岳と毅然として答える人はきっと多くない。七倉岳から南沢岳へと続く稜線の山が北アルプスの中で最も地味な山域と言ったら、怒られるだろうか。この山域は北アルプスの中で相対的に標高は低く、人目を引くバリエーションルートが無い。加えて小屋間の縦走路は長く、登山道は崩壊が進んでいることからハイカーにも敬遠されがちだ。

夏静かな山が積雪期に大賑わいとなる。なんてことは無いので、一層静かな登山を楽しめる。七倉尾根から登るのが最短だが、この尾根も積雪期に登られる事はあまりないだろう。尾根から振り返ると唐沢岳は勇壮として屹立しており登高意欲が湧く。船窪岳へ向うには七倉岳からの下り口が斜面となっており解りにくい。そこから先は不動沢側の壮大な崩壊に注意を払いながら進む。夏期に細くなっている部分も雪が付いて容易になっている。七倉岳よりも一段低いので感動はちょっと薄いけれど荒々しい不動沢を擁する渋い山である。可能であれば、烏帽子岳まで縦走して周遊を楽しみたい。

<アプローチ>
七倉山荘から尾根に取り付く。登山道を利用できるので、雪がしっかり付いていない初冬でも楽しめる。船窪小屋は冬期小屋を開放しているので、利用させていただくことも可能。周辺山域における積雪期のバリエーションルートとして北葛岳東尾根南支稜、七倉尾根南支稜が興味深い。どちらも下部に岩稜帯を有する尾根のようだ。富山市内から葛温泉まで下道でおよそ3時間くらい、糸魚川まで高速を使うと2時間30分くらい。

<装備>
ぼちぼち悪い箇所もあるので、念のためロープが有ると良い。

<快適登攀可能季節>
登山道があるので通年楽しめる。

<博物館など>
大町山岳博物館:資料館が素晴らしい。剥製の展示も豊富で躍動感、物語性があり見入ってしまう。ボルダリング壁も一回100円で一日利用可。

塩の道ちょうじや:庄屋であった平林家を展示。千国街道から運ぶ塩は瀬戸内産だったそうな。北前船で糸魚川まで運ばれ、そこから大町まで運んだとか。にがり甕の知恵に感動。

<温泉>
上原の湯:400円で石鹸&シャンプーが付いている温泉。
薬師の湯:温泉博物館と酒の博物館が近くにある。600円。
みみずくの湯:白馬にある日本有数の強アルカリ泉。入って損は無し。

<グルメ>
昭和軒:大町駅近くにあるカツ丼の店。大盛りはプラス100円で凄い量が食べられる。