2016年1月29日金曜日

前鬼川 不動七重滝








100mを越す滝は無いものの、秀麗かつ豪快な滝を連ねる。F1の泳ぎが存外厳しいが、ラインを選べば登攀は取り立てて難しい訳ではない。登攀時は情報を摂取せずに挑んだ。帰って記録を読み返すとなかなかオリジナルな登りをしていた。大滝登攀の自由は味わうと癖になる。水に溢れた場所で喉をカラカラさせながら一手出しては指先を暖め、岩の隙間を弄り前進する。そのようなシュールな姿こそ山登りらしくていいと思う。

<アプローチ>
富山からは大阪周り、名古屋周りどちらも遠い。大阪から国道309号で行った。紀伊自動車道が出来て名古屋周りのほうが早いかもしれない。
富山からおよそ6時間位だったかしら。下山は適当なところで林道に上がる。登りきって癒し渓の上部続けると楽しそう。

<装備>
カム一式、ナッツ、ピトン少々、あぶみ、ウェットスーツが有っても良い、クライミングシューズ(

<快適登攀可能季節>
7月~10月。水量の少ないほうが登るには楽である。楽しいかは登る人次第。


2016年1月27日水曜日

宇賀渓 ホタガ谷





日本百名谷に入っている鈴鹿の谷。ちょっとしたゴルジュと滝が有る沢。決してつまらない谷ではないが、これといった特徴は無い花崗岩の谷。上部は堆積岩から石灰岩に変わり観察として面白いが倒木帯で鬱陶しい。沢登りメインであれば早めに登山道経由で下山するのが吉。近くにフリークライミングの椿岩や御在所が有るので組み合わせて登るのがお勧め。

<アプローチ>
富山からだと北陸自動車道で名古屋まで、名古屋から東名阪自動車道を使い桑名インターまで。高速道路を総て利用すると思ったより早く到着する。オール高速道路利用で富山大学からおよそ4時間半くらい。

<装備>
カム一式、ナッツ、ピトン各種、クライミングシューズ(無くても登れる)

<快適登攀可能季節>
5月~11月。良く知らないけど。雪と氷の世界が終わる5月の連休にフリークライミングと組み合わせて登るのがお勧め。蛭が多いので、梅雨時から夏場は血まみれになる。

<博物館など>
椿岩:フリークライミングの岩場。ケイブマン、アトランタ、燃えよドラゴンズ、いい感じ!とか登った。面白い。

御在所 西多古知谷







東多古知谷は沢登りでも良く登られるのに対して西多古知谷はマイナーである。出だしからいきなり大滝で巻きも容易では無いからだろう。大滝の登攀はテクニカルで東多古知より難しい。水量が少ないタイミングならば水流を横断するラインがお勧め。5.9位のクライミングが楽しめる。

<アプローチ>
富山からだと北陸自動車道で名古屋まで、名古屋から東名阪自動車道を使い四日市インターから湯ノ山街道へ。高速道路を総て利用すると思ったより早く到着する。オール高速道路利用で富山大学からおよそ4時間半くらい。

<装備>
カム一式、ナッツ、ピトン各種、クライミングシューズ

<快適登攀可能季節>
5月~11月。傾斜が強いので水量が多い時期は端っこらへんしか登れなさそう。

<博物館など>
パラミタミュージアム:常設展示の江里佐代子氏による截金(きりかね)工芸品に大感激。繊細さに驚愕。池田満寿夫の般若心経作品も面白い。庭も良い雰囲気。

<温泉>
アクアイグニス(片岡温泉):余りにもモダンな温泉。入り口がどこか迷う。値段は旅館で入るより安いが、大変混雑する。

湯ノ山湯元グリーンホテル:広くて良いお風呂。ゆっくりしたい人にお勧め。

御在所 東多古知谷







東多古知谷は何といっても百間滝の登攀が華。さながらフリークライミングの快適な大滝登攀である。水流沿いが弱点なので、積極的に水を浴びることが求められえる。支点もそこそこ効くのが取れる。足袋でもフリーで登れるが、クライミングシューズで登った方が快適。下部の垂壁は人工登攀でも上ることは可能。

<アプローチ>
富山からだと北陸自動車道で名古屋まで、名古屋から東名阪自動車道を使い四日市インターから湯ノ山街道へ。高速道路を総て利用すると思ったより早く到着する。オール高速道路利用で富山大学からおよそ4時間半くらい。

<装備>
カム一式、ナッツ、ピトン各種、クライミングシューズ(無くても登れる)

<快適登攀可能季節>
5月~11月。良く知らないけど。雪と氷の世界が終わる5月の連休にフリークライミングと組み合わせて登るのがお勧め。

<博物館など>
パラミタミュージアム:常設展示の江里佐代子氏による截金(きりかね)工芸品に大感激。繊細さに驚愕。池田満寿夫の般若心経作品も面白い。庭も良い雰囲気。

<温泉>
アクアイグニス(片岡温泉):余りにもモダンな温泉。入り口がどこか迷う。値段は旅館で入るより安いが、大変混雑する。

湯ノ山湯元グリーンホテル:広くて良いお風呂。ゆっくりしたい人にお勧め。

御在所 藤内壁









関西~東海のクライマーには御馴染みの藤内壁。壁の傾斜は強いが支点がバッチリ効くのでガンガン突っ込める。登攀ラインの自由度も高い。そして降雪量が少ない上、北面なので壁への雪の付着は無い。つまり快適。余りにも快適なのでど吹雪、激寒波の時に登らないと物足りない気がする。深い山も良いけど、浅い山でテクニカルなのもまた由。

<アプローチ>
富山からだと北陸自動車道で名古屋まで、名古屋から東名阪自動車道を使い四日市インターから裏道登山道まで。高速道路を総て利用すると思ったより早く到着する。オール高速道路利用で富山大学からおよそ4時間半くらい。

<装備>
カム(でかいのも良く使える)、トライカム、ナッツ、アイススクリュー、ひん曲がったアックス、縦爪のアイゼン、チムニーでずりずりして破けても良いボロいウェア(一番上にアノラックを被ると良い)

<快適登攀可能季節>
1月~2月。良く知らないけど。

<博物館など>
パラミタミュージアム:常設展示の江里佐代子氏による截金(きりかね)工芸品に大感激。繊細さに驚愕。池田満寿夫の般若心経作品も面白い。庭も良い雰囲気。

<温泉>
アクアイグニス(片岡温泉):余りにもモダンな温泉。入り口がどこか迷う。値段は旅館で入るより安いが、大変混雑する。

湯ノ山湯元グリーンホテル:広くて良いお風呂。ゆっくりしたい人にお勧め。

2016年1月24日日曜日

烏岳






福井の山は小さいながらも地形図で「ここ壁じゃね?」と思わされる場所が多い。そう思ってしまったら最後、現場検証せねばならない。烏岳の南側は岩場マークは付いていないもののムラムラっとさせられる。検証の結果、雪が付くと傾斜は緩くなり容易なリッジが数本有りそうな印象。ただ、正面から望んでいないので正確には解らない。烏谷を横断して取り付いたら結構面白い課題があるかもしれない。山頂の北西側岩場マークには氷瀑が架かっていた。山頂の展望が素晴らしい山なのでスノーシューハイキングを兼ねて登ると良い。

<アプローチ>
最短距離、最安値を狙うならば国道8号から国道157号で勝山に行く。集落内に駐車は出来ない。国道と集落への入り口は広いのでそこに駐車する。富山大学からおよそ3時間。

<装備>
歩きだけならば、スノーシューがお勧め。北面の氷を登るならばひん曲がったアックスとアイススクリュー。

<快適登攀可能季節>
1月~3月。雪がびっしり付いたときでないと藪が鬱陶しいと思う。

<博物館など>
白山恐竜パーク白峰:福井の恐竜館より鄙びていて風情がある。展示は普通。公園が併設されていて子供は楽しい。川の対岸に手取層の化石帯が露出しており観察可能。博物館のイベントで採集もしているようだ。

<温泉>
白峰温泉総湯:昔は安くて汚くて良い銭湯だった。綺麗になって値段も上がった。でも良い温泉。

有明山 黒沢川 白河沢













有明山の氷の認知度は低い。無視されているのか、知られていないのか、登るほどでもないと認識されているか。マイナー理由はさておき、氷を登り詰めて山頂を目指すのは有意義だと信じている。白河沢はF1、F2と下部に垂直部を持つ滝が有り楽しい。記録的な暖冬の年でもこれだけ氷結しているので、毎年凍ると考えられる。F3以降のナメ滝は埋まり気味だが、所々氷は露出している。上部は左俣と右俣で分かれる。筆者らは左俣へ行ったが特に見所は無く、早めに尾根に上がった。山頂の眺望は誠にすばらしい。登攀とピークハントどちらも楽しめる冬の沢登りのルートである。

<アプローチ>
中房林道の始点に駐車。大きな駐車場は除雪されていないことが多い。登山道下部は標識が多いので迷う事はない。下部は谷筋の単調な歩きなので嫌気が差す。積雪が多い地方ではないのでそれほど雪崩の恐怖を感じなかった。でも大量降雪後は避けたほうがよさげ。下山でも登山道を利用するが、北東稜へ降りる道がやや解りにくいので注意が必要である。なお妙見滝も氷結するため登攀可能である。

駐車場まで富山大学からおよそ3時間20分。

<装備>
スクリュー8本くらい。

<快適登攀可能季節>
1月~2月。北面の為おそらく毎年凍る。

<博物館など>
碌山館:荻原碌山やその仲間の作品を展示。鉱夫、デスペア、手(高村光太郎)等の有名作品がある。建物も趣がある。

安曇野市豊科近代美術館:宮芳平という作家の作品が良かった。特に詩集「AYUMI」は好み。
高橋節郎記念美術館:漆の絵画が興味深かった。

安曇野には他にも多くの美術館がある。有明美術館など冬季閉館の美術館も有る。調べてから行こう。いわさきちひろ美術館はまだ行っていない。

<温泉>
穂高健康温泉館:420円で入れるお風呂。露天風呂は無いが石鹸もあり十分なクオリティー。

荒島岳 真名川 地獄谷~クズハキ谷










北陸の沢、といっても荒島岳は富山から遠い。石川まで行き国道157号線で一山越えて勝山まで行かねばならない(安上がりに行くとそうなる)。地獄谷は西面にあり、荒島岳で最も困難とされている谷である。沢登り界で「最難」とか「悪い」という言葉は多くの場合、滝やゴルジュが出てきて楽しいという意味となる。地獄谷もその一例でシャワークライムに、巻きの登攀と楽しませてくれる。山頂を自然に踏むことが出来る事も良い。百名山の登頂ルートとしておすすめ。

<アプローチ>
最短距離、最安値を狙うならば国道8号から国道157号で勝山に行く。記憶では養魚場の近くに駐車する。下山は登山道利用。地形図に記載の無い登山道が有るので注意。富山大学からおよそ3時間。

<装備>
登るラインにもよるが、念のためピトンとカムを少しあればよさそう。

<快適登攀可能季節>
7月~10月。残雪とオロロのシーズンはお勧めしない。

<博物館など>
白山恐竜パーク白峰:福井の恐竜館より鄙びていて風情がある。展示は普通。公園が併設されていて子供は楽しい。川の対岸に手取層の化石帯が露出しており観察可能。博物館のイベントで採集もしているようだ。

2016年1月20日水曜日

池郷川














沢登りにもグレードが有るらしい。遡行記録に乏しい北陸の沢にはグレードが付いた場所が殆ど無い。池郷川はそのグレード表のトップ、第六級の谷で最高峰とされているそうだ。そんな池郷川、遡行すれば只管に楽しく愉快な沢である。登攀での支点はしっかり取れるし、絶望的な泳ぎの箇所も無い(もちろん状況による)。厳しいと思ったらあっさりと高巻くことが可能だ。林道も至近なので最高のゴルジュゲレンデ。富山にあるその辺の藪沢のほうがよっぽど緊張すると思う。

著しい装備の発達が積極的な泳ぎと登攀を容易にしたのであろうか。ともあれ、最高に面白い沢であることは間違いない。ロングドライブを厭わずに行ってみよう。同人ルーデンスによって開拓された石ヤ塔も登ってみたい。

<アプローチ>
富山からは大阪周り、名古屋周りどちらも遠い。大阪から国道309号で行った。紀伊自動車道が出来て名古屋周りのほうが早いかもしれない。
富山からおよそ6時間位だったかしら。下山は適当なところで林道に上がる。出合いの川原でベースキャンプを張って気楽に登るも良い。

<装備>
カム(リンクカムワンセットくらい)、ナッツ、トライカム少々、ピトン少々、あぶみ、ウェットスーツとライフジャケットが有っても良い、クライミングシューズ(無くても良い)

<快適登攀可能季節>
7月~9月上旬。水量の少ないほうが積極的に水で遊べると思う。